ならそれでいいです

そろそろ優勝したい

はちまき大臣

9月9日で26歳になったんですが、それにはノータッチでお知らせ関係だけワーッとやります。

 

最近半端に忙しく、休みの日はうつ伏せになる以外のアクションが選択不可になっているような状態でブログの更新が滞っていました。

10月から無職になる予定なので、そうなったらこまめに更新しようと思います。あと海とかデカい岩とか見に行こうと思います。

ネットフリックスをチラ見したり買いまくった小説を消化したり、働いてる暇なんかないんですよね。人生は短いので。

 

で、まあお知らせなんですが僕が歌ったりギターを弾いたりしているSo Sorry,Hoboという表記の覚えにくいバンドが9月19日にアルバムをリリースします。

これが初めての全国流通盤、所謂デビューアルバムというやつです。一生に一度のことなのでとてもおめでたいなと思っています。みなさんもおめでたいですか?

「大なつかしい展」という最高のタイトルで、全9曲入り税抜2315円です。

本当になにとも似ていなくて歪ですが、長く聴けるアルバムが出来たんじゃないかなと思います。

一人でも多くの人に届くと嬉しいです。よろしくお願いします。

 

↑リード曲「電気泥棒を忘れない」PV

 

↑全曲試聴 

 

あとタワーレコードディスクユニオンで購入した方には特典が付きます。岩場で佇む俺のしおりとポストカードです。

要らなければ路上に捨ててもらって大丈夫です。泣きながら拾います。

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アルバムの内容についていろいろと話したいこともあるんですけど、それは発売後にしようかなと思っています。10月とかかも。

それとはまた別でインタビュー記事も近日公開されるんでよろしくお願いします。うっす。

 

それからレコ発が29日にあるんでそれも来てくれるとチョベリグです。

挫・人間と一緒にやれるのとても嬉しいですね。

フォーメーションBとのことですが俺たちはフォーメーションVで挑むのでアルファベット的には俺たちの圧勝です。

( ^ω^)ブーンがアルファベットを武器に戦うようです

 

告知は以上。

最近なにしてんのって話なんですけど、相変わらず本読んだり急に怖くなって内股になったりしています。

あとネトフリで映画とかドラマとか観てます。俺という人体の構造的には短く区切って観られるドラマのほうが好きです。

この間シーズン2が公開されたばかりの『アメリカを荒らす者たち』めちゃくちゃ面白いですね。

所謂モキュメンタリー作品で、高校で起こった事件の真相を主役二人が解決していくっていう、概要だけ見ると「ちゃんとした」謎解きものかな?って思うんですが実際はとんでもなく馬鹿です。いや、ちゃんとロジカルな謎解きもあるんですけどね。

そもそも事件というのがシーズン1がちんぽ落書き事件、シーズン2は下剤入りレモネード事件……。俺みたいな小学生が大喜びする感じです。まあどちらも被害の規模が大きくて、前者は被害総額10万ドル、後者は数十名の生徒が校内で脱糞する羽目になるわけなんですが……。

でもって内容の下劣さとは裏腹に、この事件のせいで人生が終わるようなレベルで追い込まれる人間(特に犯人に仕立て上げられた生徒)がいる。事件の馬鹿馬鹿しさとそれが孕むシリアスさの両極端な部分の描き方が好みですね。ミステリーとしてどうなんだ?って感じの推理の脱臼具合も、個人的には良いアクセントだと思います。

それからシーズン1・2どちらも「スクールカースト」と「SNS」が作中で重要な役割を果たしているんですが、そういう部分も含めて現在のアメリカの高校ってこういう感じなんだなあという知る喜びみたいな部分が刺激される感じもあります。

映画だと『この世に私の居場所なんてない』も良かったです。ネトフリがあれば無職でも退屈せずに済みそうですね。みなさんもどんどん辞してください、職を。

 

 

ニート / 絲山秋子

ニート (角川文庫)

ニート (角川文庫)

 

読書は無職になるんでとりあえずこれを読みました。表題作は現代無職文学の傑作だと思います。現代無職文学ってなんですか?

絲山秋子さんの文章って不思議ですよね。まったくゴテゴテしてなくて読みやすいのに情報量が多い。結構読むのに時間がかからないタイプの文章を書く作家さんだと思うんですが、ちゃんと読後に残るものが多いんですよね。そして何度も読み返したくなる。

本当に良い文章ってこういうことなのかなと思いますね。あと、たぶん無茶苦茶読書家なんだろうなとも。プロの小説家なんてそりゃみんな相当な読書家でしょうけど。

沖で待つ (文春文庫)

沖で待つ (文春文庫)

 

芥川賞受賞作のこれも好き。事故死した同僚のパソコンのハードディスクをぶっ壊す話です。

 

まあ久しぶりの更新だし、これぐらいにしときますかね。

最近アレがアレしてアレなんでアレしなくなったらまたアレします。

 

だいたいこんな感じで~す。

来世は木星並がいい

「人生なにが起きるか分からない」なんていう言葉は月並にも程があるが、それでもこの言葉を発さずにはいられない瞬間というものはたしかに存在するのである。

 

 なにからなにまで仮定の話をする。今、突然俺の目の前に十年前の自分に会いに行けるワープホール(この発想、如何にも前時代のオタクという感じで泣けるな) が出現したとしよう。いや、言いたいことは分かるがここはグッと我慢してほしい。なるべく姿勢と知能を低く保ったまま話についてきてくれると幸いだ。

 さて、とにもかくにもワープホールは出現した。俺は好奇心が旺盛なほうなので割と躊躇なくそれに飛び込む。するとその先には当然のように十五歳の俺がいる。まだ髪が「オシャレ短髪のパチモン」みたいな頃の俺は、一人暮らしを始めたばかりの練馬のマンションの一室で人生で最初かその次ぐらいに作った曲をMTRに吹き込もうとしている。

 十五歳の俺は最悪のガキだったので、俺の姿(主にとてもまともな職業についているとは思えない髪型と、人生経験の無さが浮き彫りになっている表情筋)を一瞥すると、全てを悟ったような顔で「まだなんとかしがみついてんのか」とほざく。

 一方現在の俺は最悪のガキがそのまま最悪の大人になってしまったような存在なので、ニヤニヤと意地悪く笑ったあと、目の前のいじめられっ子に向けて長いセリフを叩きつける。それは滅茶苦茶に早口で、相手に口を挟む余裕を与えない。そのスピードはつい最近初対面の女性に「めっちゃ早口ですね……(笑)」とキモがられたという事実が保証している。俺は早くてキモい。

 俺のキモさはさておき、十五歳の俺は早口の速度もさることながらその内容(この時点で俺は十分キモいので過不足なく聞き取れているのだ)に愕然とする。そして、そんな馬鹿なとか嘘に決まってるとか、とにかくそんなことを喚き散らす。

 それを聞いた二十五歳の俺は、過去の自分自身の子供っぽい反応に大層満足気に笑うと、帰りのワープホールに片足を突っ込みながら「まあ、人生はなにが起きるか分からんからなあ」と言って元の時間へと返っていく。あとには呆然とするばかりの十五歳の俺と、なにも録れていないままのMTRだけが残される。

 

 長いセリフというのはこうだ。「十年後、ようやくお前のバンドがデビュー作をリリースすることになるけど、それより数か月前にお前が『でつまつ調』で話している音声と、お前が書いたテキストサイト時代の出涸らしみたいな文章が全国のCDショップに並ぶことになるよ」

 去り際の俺に、他になにか言えることが、月並でない言葉があっただろうか? 

 

 

 というわけで、本日2018年5月23日は俺が2曲目の「ダンス・スタンス・レボリューション」に『でつまつ調』で語りを入れ、帯文を書いた挫・人間の初となるシングル「品がねえ 萎え」の発売日である。いやあ、めでたいめでたい。

 内容については各自が聴いて確かめてほしいところではあるが、このご時世にシングルを出すという姿勢を含めてとても挑戦的な作品だと思うので、本作に関われたことを非常に光栄に思う。いや本当に。

 

 語りと帯文、どちらも下川から話が来たとき「なに言ってんだこいつ」と思ったものだが、実際そこから商品が完成した今に至っても相変わらず意味がわからないままだ。特に帯文ってもっと知名度がある人に頼んで売り上げアップを図る場所じゃないのかよ。

 語りに関しては俺のキモさが存分に生かされていて調理上手だなという印象である。テストのつもりで録って送ったものがそのまま採用されたのだが、それがかえって俺本来の自然なキモさに繋がっているのではないかと思う。自分で書いてて落ち込んできたわ。

 実は本村というオタクにも話がいっていたらしいのだが、彼奴が録って寄越した「冒頭の語り(俺と同じもの)の後、一筋の光が差し込んだかと思うとその先にはギターがあり、それを手に取って「ハレ晴レユカイ」をフルコーラス弾き語る」という内容は俺を大いに叩きのめした。当然不採用ではあったのだが、正体不明の敗北感に打ちひしがれた俺は「その手があったか!」と慟哭するほかなかった。ちなみにそんな手はない。

↑ハレ晴レ、ではなく本村がベースを弾いているバンドのMVを貼っておく

 

 帯文についてもほぼ脳を使わずにいつものテンションで書かせてもらった。提示された文字数600字を大幅に超えてしまったような気がするが、まあなんかそこはデザイン段階で上手いことやってくれたらしい。世の中だいたいのことは後から上手いことやれば丸く収まるのだ。

 帯にも書いた通り内容を全く聴いていない状態で書いたのですぐに書くことがなくなり、口頭で話している際の語尾のむにゃむにゃとした部分だけで構成されたような文章になってしまったが、改めて見てみるとそれっぽく書けていると言えなくもなくもなくもない。やはり日頃から駄文を転がしていたことが活きたのだろう。なんでもやっておくものである。

 ちなみにこちらについては俺の方でもう一つの候補も作成しており、なんなら作成当時はそっちのほうが個人的には気に入っていたのだが、様々な判断の結果世に出回っているものが採用に至った。その没案の詳細については冒頭の一文に「帯tuber」という単語が出てくる、という一点を明かすに留めておこうと思う。冷静になればなるほどバンド側の判断が英断だったと思わされる(そもそも俺の起用が英断じゃないだろという意見は黙殺する)。

 

 とにもかくにも「品がねえ 萎え」、とてもオススメである。全国8億人の俺ファンは各自1万枚ずつ買い、帯を連ねて帯帷子を作って俺に会いに来てほしい。全国に5人のみ生息しているという俺アンチは、1枚だけ買って帯は捨て、「ダンス・スタンス・レボリューション」の冒頭部分を音声編集ソフトで切り取った上で3曲をじっくりと聴いてもらいたい。これだけで売り上げは……

 

8,000,000,000,005枚!!!!!!!!!

大ヒット、おめ。

 

 とまあ、そんなことを考えている俺は今タワーレコード新宿店にいて、目の前にはズラッと大きく展開された「品がねえ 萎え」があるわけなのだけど、ジャケットに写るアベ下川夏目のアホ面と、それに引けを取らないアホ臭い文面の帯文(とその末尾の「梶原笙」の文字)を見ていると、やっぱり口からは「人生なにが起きるか分からんなあ」という月並な言葉が漏れ出てしまうのだった。

 

※ちなみに、「月並」という言葉は元来「毎月行われる」といった意味として使われていたらしいのですが、ある俳人が「月並句合(要は毎月開催される句会)」で作られた型通りでつまらない句を批判の意味を込めて「月並調」と呼び、それが転じて現在使われている「ありきたり、陳腐」といった意味に変わっていったそうです。このある俳人というのは正岡子規のことで、子規が俺と同じ愛媛県松山市出身であること、子規が優れた歌人でもあったこと、下川が短歌を好むこと、これらが俺の脳内で運命的に連なったような気が本エントリを書き始めたときにはしていたのですが、冷静に考えるとこれはシンクロニシティとしては14点ぐらいの代物なのでマジのマジで全然まったくなんの意味もありません。

 

だいたいこんな感じで~す。

品がねえ 萎え

品がねえ 萎え

 

 

生活拡大日記

2018年5月11日 午後4時過ぎ

 

 三鷹駅を南口から出てそのまま通りを十分強進んでいくと、やがて目の前には大きな煙突が見えてきました。ここまではほとんど一本道ではあったものの、やはりああして分かりやすい目印があってくれると安心します。この道を通るのは初めてでしたが、あの百メートルほどある円柱には馴染みがありました。あとはもう、ただ真っすぐあれを目指すのみです。夜と昼という勝手の違いはあれど、あの煙突の近くに目的地があることは何度もこの目で確認しているのですから。

 真夜中の散歩が趣味になったのは、高校生のころだったと記憶しています。我ながら少し陰気で笑えてくるような趣味ですが、静まり返った街を大股で闊歩するのは世界の支配者になったようで気分が良いのです。故に、日付が変わって間もない外界にまろびでるこの行為は、週に一度ほどのペースを維持しながら今日に至るまで続いています。

 身分だけが大学生の状態で大学には行っていなかった二十歳のころ、散歩の目的地は牛丼屋でした。僕が当時住んでいた小田急線沿線の小さな駅前には午後十時以降に開いている飲食店がほとんどなく、隣駅とのちょうど中間あたりにある牛丼屋が最寄という有様だったのです。当時の僕は「これは趣味と実益を兼ねたとてもよい行為だな」などとのたまっていましたが、恐らくはまだ「実益」という言葉の意味を正しく理解していなかったのだと思います。いったい誰に利益が発生していたというのでしょうか。

 一昨年住んでいた浅草ではスカイツリーを目的地と定めることがほとんどでした。時折隅田川で営業を終えて休んでいる屋形船を眺めて涼を感じることもありましたが、そもそも単純に大きなものが好きだという脳の構造をしているので、どうしてもあの電波塔に気が向きがちでした。ただ、あまりにも有名すぎるために自分以外の人間と鉢合わせることが多いのが難点とも言えました。真夜中の自分というものは少し独占欲の強いところがあるのかもしれません。

 

 そして煙突です。三鷹に越してきて以来だからそろそろ一年半の付き合いになるこのごく私的なランドマークは、単純なサイズこそスカイツリーには劣りますが、そのくびれすらない真っすぐな円柱の形が醸し出す独特の雰囲気はとても魅力的に感じます。約百メートルのサイズにしたって、間近で天辺まで見上げても首が痛くならないという点においては、むしろ好ましいとさえ言えるでしょう。

 煙突はクリーンプラザふじみというごみ処理施設の一部で、三鷹市調布市のごみを処理した際に発生する煙や臭いへの対応を一手に引き受けています。まあ、なかなかに立派なことだとは思いますが、僕は彼(彼女)の仕事そのものにはあまり興味がありません。やはりその、真っ白な建築物がずどんとそびえ立つ様に心惹かれているのです。

 

 煙突を目指し、どんどん歩を進めていきます。連雀コミュニティセンターを通り過ぎ、集合住宅と小さな公園が織りなす少し入り組んだ道を抜けると、やたらと整備された一角に出ました。曲がりくねっていたこれまでの道と違い、その通りは一直線に伸びていて、さらには発色のよさからアスファルトが若いものであることも分かりました。そしてその延長線上には煙突が座していて、なんだかそのために最近になって誂えられた道のように見えてしまいます。

 もちろんその認識は誤りで、あの煙突がどれだけ立派だろうがそれはただのごみ処理施設に過ぎず、そのために道が造られたり整備されたりすることなどまずないでしょう。実際にその道を歩いてみると幼稚園、小学校、中学校、さらには児童公園までが沿うようにして立ち並んでいたので、この道は元々こういうもので、整備された事実があったとしても生徒たちの安全のために歩道を広げたぐらいがせいぜいだろうと思いました。実際どうなのかは分かりませんし、わざわざ確かめるつもりもありませんが。

 ともかく、その若いアスファルトたちを一通り踏みつけ終わると、抜け出た先には煙突をバックにした大きくて古い建物が現れました。三鷹市役所です。市役所はクリーンプラザふじみとほぼ隣接するような形になっているので、ここに辿り着くためには煙突を目印にするのが手ごろだったというわけです。

 ただ、今回の目的地は市役所ではありません。少し西に行ったところにある図書館を目指して、僕はここまで約三十分ほどもえっちらおっちら歩いてきたのです。なので身体を右に向け、そこからまた少しえっちらおっちらと歩きはじめました。

 

 僕は図書館という場所や言葉に、そこまで特別な思い入れを持ってはいません。小学生のときに学習漫画シリーズを読破したり、中学生のときに気になっていた女子と図書委員で一緒になってドギマギしたりといったことはありましたが、まあそれぐらいの、ごくごく平凡なものです。事実かの場所からは足が遠のいて久しく、図書館という場所に行くのがいつぶりなのか、自分でもよく思い出せませんでした。

 では何故そんな場所に足を運ぶ気になったのか。それは一言で表すと「『透明』について調べてみたくなったから」です。これを聞いた人間はほぼ全員が「なにを言っているんだ」と思うことでしょう。正直なところ、僕にもよく分かりません。でも事実なのでしかたがないのです。せめて自分の中にだけでも筋が通るように、少し考えてみることにしましょう。

 

「透明」という言葉について、僕は少し特別な思いを抱いている節があります。少なくとも「図書館」よりはずっとそうなはずです。

「透明」という言葉に対して浮かぶイメージは主に二つあります。一つは美しさ。これは単純で、字面の印象から少し連想しただけだと言ってもいいでしょう。それからもう一つは危うさです。透明であるものはふと目を離した隙に消えてしまうような、そしてそのことにもしばらく気が付けないような、そんな気がしてしまうのです。

 僕が人生で出会った中で最も大事なバンドであるイールズセカンドアルバム「エレクトロ・ショック・ブルース」を例に挙げてみましょう。マーク・オリヴァー・エヴァレット の個人的な悲しみを出発点とした楽曲の数々は、全編に渡って途切れそうなほどに弱々しいものの、その一方でひたすら一点を見つめ続けているかのような力強さも併せ持っています。これは僕の基準ではこの上なく透明なレコードです。

 

 漫画にしたって小説にしたってそうです。独自の美しさと危うさが絡み合いながら放つ魅力はジャンルを問いません。売野機子先生の漫画はこのどちらの要素をも非常に強く含んでいて、それがもっとも鮮やかに表出しているのが人物の眼の輝きなのではないでしょうか。これもとても透明なものであると言えると思います。

 僕が好ましいと思う人間にも、老若男女問わずそういった傾向が見られます。なにも見た目や性格が美しい人間が好きというわけではなく、むしろ歪なある意味人間臭い人物の中に見えるそういった部分に魅力を感じがちです。それは無邪気さや儚さといった言葉で表すことも出来るかもしれませんし、少し角度を変えれば愚かさと言えなくもないかもしれません。ですがこれを表す言葉もまた、話者が僕の場合は「透明」となってしまうのです。

 

 さて、ここまで述べてきたような僕の感覚レベルの話を、本来「透明」という言葉がそれ一つでカバー出来るものなのでしょうか。答えはノーです。この言葉は別に僕のために作られたものではありません。

 僕は「透明」という言葉に対して意味を拡大解釈するだけでは飽き足らず、勝手に新しい意味を付け加えるような狼藉を働いているのです。ではいったいなぜそうなってしまったのでしょうか。いったいなにが、僕の「透明」を歪に膨らませてしまったのでしょうか。ここまで述べた音楽や漫画や人物と「透明」との連結は、半ば無意識のうちに行われています。ですがきっとこの変質にはきっかけがあったはずなのです。

 試しに昨晩インターネット検索サイトに「透明」と打ち込んでみたところ「《名ノナ》光がその物質をよく通り、すきとおって見えること。「―なガラス」「無色―」「半―」。比喩的に、物事(が隠されず、そ)の見通しが明らかに分かること。」と辞書引きこそしてくれたものの、求めていた答えは返ってきませんでした。なので僕はそのまま「透明」の文字にバックスペースを二回打ち込んで、「三鷹 図書館」と書き換えました。

 

 つまり僕は、自身の持つ辞書の「透明」の項目がいつ、誰に(何に)よって、どのように書き換えられたのかを知る(思い出す)ためのヒントを図書館に求めたというわけです。

 こうした一つの言葉に対する認識のずれのようなものが発生することはなんら珍しいことではないし、それについて論じた書籍も恐らくは複数ある。最悪自分のケースについて完全に当てはまる解答が見つからなくても、それと似た類の記載は簡単に見つかるだろう。と僕は考えました。

 そして調べものをするなら図書館、というのは少し安直な気もしますが、しかし闇雲にネットの海を捜索するよりも眼前の本の群れから手当たり次第読み漁るほうが今回の場合は答えに近そうに思えたのです。

 

 かなり話が逸れましたが、かくして僕は三鷹市立図書館の本館に辿り着きました。

(たぶん言語感覚とかそういうのの類を当たるのがいいんだろうな。言語感覚は大きく三つに分けられるって昔なにかで読んだっけ。なにで読んだのかも、その三つがなんなのかも覚えていないけど)

 そんなことを考えながら。

 

 

続きます

 

俺がめちゃくちゃになったりならなかったりするだけの映像

俺か俺じゃないかの話でいけば俺です。

 

桜がはちゃめちゃに咲いてましたね。もう散りましたが。めっちゃ一瞬でシーズンが終わった気がするんですが毎年こういうものでしたっけ?夢かと思っちゃった。

家のある吉祥寺も労働場のある市ヶ谷も桜がべらぼうに咲くので、桜の季節は人口密度がガッと上がり僕の精神がワッとなります。

個人的には今の時期の緑祭みたいな感じのほうが好みですね。井の頭公園とかもう物凄いことになってます。

 

卑しい人間による卑しい宣伝がここで唐突に入りますが、僕がやってるぼんやりとしたバンドがぼんやりとしたCDを出しました。とりあえず買ってもらって、聴くか聴かないかはそちらに選択権があるという形でお願いします。購入は強制です。

↑購入はここから可能です。『4thデモ「まるではじめて生きるかのように」』というのが今回出したやつなんですが、他のやつを買ってくれても同じぐらい喜びます。 

 

↑これは収録曲のPVです。動物が大量に出てくるのでそういう目的で観るのも「アリ」。

 

で、音源出したばっかなんですが先週末は伊豆でレコーディングをやっていました。

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↑これプラス数名の布陣で臨みました

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だいたい一年ぶりの伊豆だったんですが相変わらず最高でしたね。温泉あるし、自然がいっぱいだし、食事は美味しいし。もうここ以外ではやりたくないなという気持ちが一層深まりました。

3日で9曲を歌も重ねも全部アレするというなかなか殺人的なアレで帰ってから一週間ぐらい身体にかかる重力が倍になってましたが、まあ上手いこと録れたんで全部アレっていうアレですね。

エンジニアのやすさんも手伝ってくれた夏椰ちゃんも本当にありがとうございました的な気持ちです。

詳細もそのうち発表できると思うんで楽しみにしたりしなかったりしてください。

 

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あと岩場でオタクの写真を撮ると脳にいいことがわかりました。

 

とまあこういうことをやる一方で一応労働者の顔をしつつも土日に加えて月金のどちらかを休む「週一三連休制」を勝手に制定することで食物連鎖の頂点に君臨しているわけなんですが、この三日間は基本的に外には出ないようにしています。

理由は労働のある日に自動的に発生する「他者との交流」という行事が「休日」に挙行されることにまったく納得がいかないからです。休めてないじゃん、それ。なので可能な限り土日(と月金のどちらか)は家に籠ってポテチとチョコ菓子をコーヒーと牛乳を3:7で割った液体で流し込みつつ、塔のように積まれた漫画と小説を消化することに費やすよう心掛けており、最近ではそういった日のことを「閉日(とじび)」と呼んでいます。俺辞苑にも載っています。俺辞苑ってなんですか?

この「閉日(とじび)」の概念、広く普及してほしいんですよね。そうすれば「土日休みなんでしょ?ライブ来てよ」みたいな大して仲良くもない人からの誘いも「ごめんその日閉じてるから」の一言で後腐れなく断れるし。俺たちが求めてたのはこういう手軽な通信ケーブルの切断方法なんじゃないのか?

みなさんも「閉日(とじび)」をどしどし使ってください。楽になりましょうよ。

 

漫画展です。 

 

不滅のあなたへ6巻/大今良時

安定して面白いんですよね。もう書くことに困るぐらいの安定感。

少年漫画らしく(?)バトルシーンもそこそこあるんですが、ずっと緊張感のあるバトルが連続しているのはさすがというかなんというか。

この第6巻で物語にまた一つの大きな区切りがつき、次巻以降の展開も楽しみです。

明確な敵がいるのに明確な物語のゴールが見えていないという、ここまで話数を重ねた漫画にしては少し不思議ともいえる状態ですが、そこも魅力なのかなと思ったり。

 

北北西に曇と往け2巻/入江亜季

まあ相変わらずコマに漂う空気の表現が本当に凄いんですよ。あの透き通りすぎて遠くまでよく見えてしまう感じね。

内容的には日本から慧の友達が訪ねてきてアイスランドを案内するという最早観光案内か?みたいなアレです。

探偵云々の話どこいったねんと思わなくもないですがこれはこれで面白いのでオッケー。

 

無限大の日々/八木ナガハル

無限大の日々

無限大の日々

 

コミティアなどで作品を発表している作者の初単行本です。既発表の作品をまとめたものらしいです。

HP上に公開されている漫画を読んだことがある、というのを読み終えてから思い出しました(遅い)。

巨大娘の眠り

↑これは単行本の最後に配置されている話なんですが個人的には一番好みでした。もうここまでいくと詩ですよね。

 

ダンジョン飯6巻/九井諒子

ダンジョン飯 6巻 (ハルタコミックス)

ダンジョン飯 6巻 (ハルタコミックス)

 

もう俺からこの漫画についてなんか言うことあります?ずっっっっと面白い。

最近ゲームクリエイターのインタビューを読むのにハマってるんですが、そこで誰かがウィザードリィと本作の比較みたいなのをやっててなかなか良かったんで探し出して読んでみてください(不親切)。

 

どこか遠くの話をしよう/須藤真澄

どこか遠くの話をしよう 下 (ビームコミックス)
 

下巻が出ているのに全く気がつかなかったんですよね。やっと読めました。

上下巻通じてとにかく優しく暖かな漫画でした。でも甘ったるい話なんかでは全然なくて、書き手の信念みたいなものも感じるんですよ。それがなにかって言われると、……まあほらそういうのは読み手が各々で受け取るべきものなんで。うぃ。

とにかく俺はこういう話に弱い。劇的に全てが解決されることはなくても人生は続いていく的な……。それがSFもファンタジーもありな世界観の中でやられるともうね。ラストページのその先が想像できる漫画って、いいよね。

表紙見たら分かると思うんですが自然の絵が本当によくて。話の内容も相俟ってめっちゃ祝福って感じがするんですよね。すっげえイキイキと描かれてるから尚更。チロもめっちゃ可愛いし。俺は須藤真澄の描く女の子が好きすぎる。

これまでの作者の描いてきたものの要素を内包しつつ、それらをさらに深めることに成功した記念碑的な漫画なんじゃないかなと思います。

 

レコーディングも終わったし、夏ぐらいまではいろいろな遊びに時間を使いたいと思います。

 

だいたいこんな感じで~す。

 

混ぜてください安全です

俺なんですけど。

ブロッグ書くことあるようなないようなって感じでしばらく放置してました。まあもうこういうもんだと思ってください。

一月二月何してたんですかという話なんですが、バンドやって本読んで休みの日はずっと家いて保険証紛失して……。まあなんていうか「俺」をやってました。皆さんもバンドやって本読んで休みの日はずっと家いて保険証紛失すれば梶原笙になれます。毎日が、誰かの誕生日なのだ。

 

トピックとしては花粉症ヤバすぎて毎日残機減らしてます。今年は特に目がヤバいです。

薬を強いやつに変えたらいいのではと思うかもしれませんが、そうすると喉が渇く→喉が雑魚なので一瞬で風邪を引くのコンボで死亡します。死とは定めなので。

 

これは脳がバグって買った最高の服です。俺のファッション観は「ウケる」「ウケない」の二択のみで構成されてます。ウケてたりウケてなかったりするのはいつだって俺です。お前の意見は知らん。

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高橋留美子が着てそうじゃないですか?いや、キャラじゃなくて本人が。

服を着ると現人神に近づけたり、自分を好きになれたり、歩くときに背筋が伸びたり、暖かくなったりします。みなさんも服を着たらいいと思います。俺も週三で服を着ていますので。

 

あと冬は家から徒歩十分で行けて、いつも空いてて、ほぼ全ての動物が寝てるか奥で休んでいるかでお馴染みの最高動物園こと井の頭自然文化園に何回か行きました。

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これは2月上旬。フェネックがこういう感じになっていて、オゥワーッとなってしまいました。

一番好きな豚が奥で休んでたのが残念でしたが、まだまだ限界寒いわい!という感じの動物が大量に観測できて最高でした。これで400円という入場料は相当安いなあと思います。俺たちのライブは2000円です。ありがとうございます。消費社会での幸福の在り方というものについて、各自レポートを記してみましょう。

 

読書はなんか田中慎弥氏読んでたら「もしかしたら最近の芥川賞作家全部面白いんじゃないか?」と思ったのでめっちゃ買って、破産しました。

共喰い (集英社文庫)

共喰い (集英社文庫)

 
図書準備室 (新潮文庫)

図書準備室 (新潮文庫)

 
切れた鎖 (新潮文庫)

切れた鎖 (新潮文庫)

 
工場

工場

 
穴 (新潮文庫)

穴 (新潮文庫)

 
死んでいない者

死んでいない者

 

 

あとは保坂和志とか小川洋子とか。 

この人の閾 (新潮文庫)

この人の閾 (新潮文庫)

 
完璧な病室 (中公文庫)

完璧な病室 (中公文庫)

 

 

父、断章/辻原登

父、断章

父、断章

 

そんな中でベストはこれですね。氏の作品は長編しか読んだことがなかったんですが、短編集ノーチェックだったのが悔しいというかなんというか。十八歳ぐらいで読んでたら人生変わってた気もします。

作者自身の両親だったり、実在の脱獄囚だったり、あるいは現在の作者だったりを題材にしつつ、虚と実の線引きがどこにあるのか読んでいくうちにどんどん曖昧になっていってその混濁っぷりには眩暈がしました。現実のものをベースに据えるというのは全作共通していて、そこからの非現実さへの跳躍の距離感で物語の味を調節してるというか。とにかくその辺のコントロールがめちゃくちゃ上手いんですよね。

特に「夏の帽子」が本当に最高で、谷崎について語った講演の原稿、作者自身がモデルと思われる“私”がそれを読み上げるために神戸を訪れる現在、そしてその神戸の地に残した苦い思い出を中心に語られる過去、これらが一切の無駄なく絡んだとんでもない短編です。小説を読んで文章がいいなあと思うことは頻繁にあるんですが、構成がいいと思ったのは初めてかもしれません。超オススメです。絶対一度読んだあとに冒頭の講演の原稿を読み返したくなると思います。

 

漫画はあんま読めてないんですが

二匹目の金魚

二匹目の金魚

 
猫村博士の宇宙旅行

猫村博士の宇宙旅行

 

この辺はめっちゃ良かったです。金剛寺さんは普段漫画読まない人にも読んでほしい。優しいし愛らしいし笑えていいです。

 

月曜日の友達/阿部共実

月曜日の友達(2) (ビッグコミックス)
 

まあでもやっぱこれの話になってくるんですよ。でもこれについて語る言葉なんてないんですよね。読んで、としか言えない。

この作品が「成長」の物語として終わったことが僕的には本当に美しいなと思っていて。一巻の時点で作者の持ち味(と言ってしまっていいでしょう)のざわつきや座りの悪さみたいなものが全開ではあったんですけど、それらは全部物語がこの結末を迎えるのに必要なものだったんだなという気持ちです。

「本当はこうであってほしいけどそれは叶わないだろう」ではなく「叶わないだろうけどこうでありたいしあってほしい」という現実の受け入れ方を二人は選択したように思いますが、現実を把握した上でそれでも前を向くっていうその決意が滅茶苦茶ファンタジックな状況の中で描かれているところがものすごくグッときましたね。

いやあ上手く言語化できない。ほとんど頭じゃなくて胸のあたりで読むような、そういう漫画だったと思います。読みましょう。あと単純に漫画表現が新しい段階に行きまくっててスゴいです。

 

音楽はカルチャークラブを久々に聴いたらよくて、そこから80年代の一発屋を聴いてました。

 

俺はミーハーだからこういう一番有名!みたいなやつが好きすぎる。

 

あとMount Eerieっていうミュージシャンが一年ぐらい前に出したアルバムがめっちゃよくて最近すげえ聴いてます。

アルバムを取り巻く事情(ググってください)もまあ重要な要素だとは思うんですけど、とにかくメロディと声がいいんですよね。こじんまりとしてるけど情報量が足りないなんてことは全然ないし。

 

で、それにしてもなんかこの声聴いたことあるな~とか思って調べてみたらマイクロフォンズのボーカルの別名義だったんですね。

↑このアルバムは超名盤です。高校生のころめっちゃ聴いた。

 

こういうちょっとたどたどしいというか不器用な感じの呟くような歌がすげえ好きなんですよね。そこに関しては中学生からなんも変わってないな俺。

↑いいよね……。

 

こういうの聴いてるとアコギが欲しくなるんですけど、買ったらどうせあんま弾かないんだろうなと思います。

俺は家でまったくギターを弾かないことでお馴染み。だってそんなに弾けなくて楽しくないから。

 

だいたいこんな感じで~す。

 

今日から1月3日までずっと家で過ごす可能性が濃厚です

2017年も終わりですね。今年は本当にあっという間だったなあ。

去年の今頃は一年間で触れた各ジャンルのあれこれの感想を二万字ほどの記事にしてたんですが、今年は意図的にインプットを増やした関係上、全部まとめると五万字とかになりそうなんでやめておきます。

「良いものを大量に取り込むと、自分も良い人間になれるのではないか」という考えに基づいての能動的インプットだったわけなんですが、どうですか?僕、良い人間になれましたか?二十五歳彼女無し実家住み週3.5日労働月収十二万なんですが……。

 

まあ周囲から見てどうかは置いておいて、個人的には良い一年だったなと思います。いろいろ前進しました。

バンドのデビューが決まったのなんかはそうですね。良かった良かった。リリース自体は来年の後半の予定なんですが、打ち合わせ等の準備は既に始まっていて頑張らなきゃなという気持ちの高まりを感じます。

音楽性がどうとかセールスがどうとかも考慮すべきだとは思うんですけど、僕は今のメンバーでバンドをやるのがとても楽しいので、四人で長く続けていくための礎になるようなものが作れたらいいなあというアレです。

↑春に録った音源から一曲と、先日のライブから一曲がそれぞれ公開されているのでもしよければ聴いてみてください。

 

あと小説の投稿も本格的に始めたんですけど、予想よりずっと良い結果が出てびっくりしつつもとても嬉しいです。

投稿した四作全部が一次を通過してくれてちょっと欲が出てきたので、来年は投稿数自体を増やしつつ賞を狙ってみようと思います。

音楽も小説も十年ぐらい続けてやっと芽が出始めた感じなので、やっぱ継続って大事だなあという気持ちです。

 

 

・・・・・・・ここまでインターネットを利用した最悪の射精・・・・・・・

 

 

ハッ、数少ない良かったトピックを絞り出してさも自分が優れた人物であるかのように振る舞ってしまった。俺は一体何を……。

上記の二点はまあ良かったんですけど、あとは結構悲惨なのが俺という人間なんですよね。というかこっちが平常運転なんですけど。

今年は例年よりはるかに異性との交流が無く、あっても感情がスッなることしか発生しなかった一年でした。まあでもこれに関しては自分のスペックを考えると妥当というか、もう諸々諦めたほうが良いんじゃねえかなという感すらあります。

 

それよりもヤバいのが元々仲の良い人間以外と上手くコミュニケーションがとれなくなっている(以前はもうちょっと上手くやってたと思う)ことで、このまま悪化すると社会的に死が見えます。

先月なんか色々意味不明になった結果職場で一日中タメ口で喋るという状態異常に陥りましたからね。こんなにわかりやすいバグり方があるかよ。

これに関しては休日の過ごし方が下川氏とゲームをするか、オリジナルの言語で意思疎通をしている友人と奇声でやりとりをしてぐちゃぐちゃになるか、家で本を読むかしかないのが問題な気もします。もっと社交の場にでる必要があるのかもしれん。

 

読んだものやったもの聴いたものの話も少ししますか。

漫画は今年も良いのがたくさんありましたねえ。正直どれがとかじゃなくて全部良かったです。漫画家は神。

小説は下半期は村上春樹の短編を勉強も兼ねて繰り返し読みました。ノスタルジィの作家なんじゃないかなという以前からの考えが強まりましたね。

あと宮本輝の作品もたくさん読みました。文章が本当に良くて、こういう風に言葉が使えたらさぞ楽しかろうなという気持ちです。

 

ゲームはSteamのものを中心にちょこちょこと。

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ドット絵の良さだけでお金を出す価値のある『VA-11 HALL-A』や

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PCゲームであることを最大限活用したゲームシステムでめちゃくちゃ感情移入した『OneShot』あたりはその中でも特に記憶に残りました。

PS4のゲームでは『ダンガンロンパV3』と『FF15』が印象深いです。どちらも賛否両論あるゲームですが個人的には大満足でした。

特に『FF15』はDLCまで含めると相当楽しめましたね。それだけに本編の展開の急さや演出の雑さといった、主に批判を受けている部分が本当にもったいないゲームだなとも思ってしまいますが。

 

 音楽は明らかに長くなりそうなんでプレイリストを作りました。Apple Musicに入ってる人は良かったら聴いてみてください(加入してなくても見れはします)。特に面白いリストではないですが。

今年はロックバンドが元気で嬉しかったですね。去年はかなり寂しい感じだったので。

海外の動向を見ていると、複数の作曲者が一曲を作ることが当たり前になったり、スタジアム級のバンドがポップ畑のプロデューサーを起用したり、どんどんストリーミングが流通手段の中心になっていっていたりと色々な意味で変革期だなあという感想を抱きます。2018年はどうなるんでしょうか。

 

まあだいたいこんな感じですかね。

いろんな人にお世話になった一年だったし、来年もそうなると思うのでどうぞよろしくお願いします。

来年もたくさんの面白いものに触れて、ゲラゲラ笑いながら過ごせればいいですね。

というわけでよいお年を。来年もまた良い一年になりますように。

 

だいたいこんな感じでーす。

こっそり土を盛る

特に日記として書くことはないので漫画などの感想をひたすら連ねます。

生活としては『痩せたい』『パーマをまたかけたけど前回ほどかかっていない気がする』ぐらいしかないんで。

俺は虚像。

 

ロッタレイン』が完結したんですよ。

ロッタレイン(3) (ビッグコミックス)
 

あんまりにも漫画の中で語りつくされてるように感じるんで、もう何を書いても蛇足になっちゃいそうですが一応感想を書きます。

まずなんですけど、めっっっっっちゃ良かったです。ものすごく丁寧に丁寧にラッピングされた暴力という感じで、いろんな意味でくらいました。

 

テーマの関係上ナボコフの『ロリータ』と比較されることが多い本作ですが、ひたすら歪んだ愛情の対象として描かれていたドロレスと違って、初穂はかなり能動的なヒロインなんですよね。まあそのせいで悪女感が出ちゃってるんですけど。

あと三巻の各人物の発言にも表れてますけど、年齢よりもどっちかというと(血の繋がりはないものの)兄と妹という関係性が問題視されてますよね。二人以外の家族が二人を引き裂こうとしているところなんかはその象徴なのかなと考えたり。

なんでまあ、個人的には『ロリータ』とはそこまで関連性を感じなくて、家族という言葉のほうがキーワードとして強いのかなあと感じました。これは松本剛という作家のなかで田舎の閉塞感(これも本作にはバリバリに出てきます)と並んで重要なものだと思っています。まあもちろん、『ロリータ』を念頭に置いて描かれた漫画ではあるんでしょうけれど。

 

ラストシーンはもうあれ、なんなんですかね。「おおうう……」ぐらいしか言えなくないですか。ねえ。

結論としては最終話の蛍子のセリフが全てだと思うんですよ。これから先初穂は一と違う時間を生きて、違った変化をしていくはずです。でも一に何も残らないのかというと、それは違うんじゃないでしょうか。

物語の開始時に文字通りどん底にいた一は、初穂との出会いと別れを経て生きていく活力を取り戻したように思います。心のどこかで果たされないことを確信しながら、初穂との約束を支えに彼自身の道を歩んでいくのでしょう。

最後のページに描かれているのは二つの風船が初穂の手を離れ、どうしようもなく離れながら高く高く飛んでいくカット。言葉はなくともしっかりと二人の未来を暗示するとても印象的なものでした。

欲求や嫉妬などの眼を背けたくなるような部分をいやらしくならないように丁寧に丁寧に描きながら、同時にキャラクターたちへの優しい眼差しを感じることの出来る大傑作です。

 

北北西に曇と往け / 入江亜季

北北西に曇と往け 1巻 (ハルタコミックス)

北北西に曇と往け 1巻 (ハルタコミックス)

 

入江亜季アイスランドを舞台に描いた漫画っていう時点でもう買うしかないんですよね。

とにかく一話で描かれる異国のはちゃめちゃに豊かな自然と土地の余ってる感じにおわーっとなります。そしてこの話が事故で横転した自動車の車内と周囲だけで完結してるのも凄いです。

 

冬の日の朝の感覚ってあるじゃないですか?尖った風に切られたように感じる頬を指でなぞったらその部分だけじんわり暖かくなって、洟をすすりつつ霜をしゃこしゃこ踏んでるうちに駅まで着いてて、気が付いたらポッケに突っ込んでしまってる手とか、いつの間にか竦められてる首とかを覆うものを探さねば、と思ったことも通勤電車の強すぎる暖房で気持ち悪くなってるうちに忘れてしまう、あの感覚の話なんですけど。

 それをめちゃくちゃ濃縮して濾過したものがアイスランドの空気なのかな、とかそういうことを考えながら読める漫画です。本当に紙面を漂う空気が全部透き通ってます。日本が舞台になるシーンでは明らかに空気感が変わってるし。なんなんですかこれ?

僕は本気で漫画や小説や音楽は飛行機や船やタイムマシンでもあると思ってるんですけど、これを読んでまたその認識が深まりました。それは夜毎に打ち震えている顔馴染みの感動ではあるんですが、何を見てもそう思うというわけではないんですよね。

 

バタフライストレージ2巻 / 安堂維子里

バタフライ・ストレージ 2 (リュウコミックス)

バタフライ・ストレージ 2 (リュウコミックス)

 

なんか気が付いたら二巻出てて完全にスルーしてました。俺はこういうことをよくやらかす。

一巻のときも同じような感想垂れ流してた気がしますが、とにかく「人間が死ぬと蝶になる」っていう設定が画として美しくて、ね。もうそこにある詩情というかなんというかだけでグイグイ引き付けられてしまいます。

主人公含めてキャラの堀り下げが進められつつ、敵の正体も徐々に明確になりつつある、物語としてはかなり前進した感のある一冊でした。

 

レイリ / 室井大資 岩明均

ま~~~ずっと面白い。歴史ものの漫画がそんなに好きじゃないんですけど、それでも毎巻めっちゃ楽しませてもらってます。

この巻とても絵が良いんですよ。こんなに良い表情の出てくる漫画だったっけ?って思っちゃうぐらいに。

ある種達観してしまっているところのあるレイリの人間臭い部分がゴロンと転がり出てくるようなコマ(読んだら分かると思います)で一気に感情移入してしまいますね。

作者特有のとぼけた味わいのやり取りとか、明らかに悪く描かれててウケる織田信長徳川家康とか、骨太なストーリーの節々に「抜き」のポイントがあって本当によくできた漫画だなあと感心してしまいます。

 

好奇心は女子高生を殺す / 高橋聖一

好奇心は女子高生を殺す 1 (サンデーうぇぶりSSC)

好奇心は女子高生を殺す 1 (サンデーうぇぶりSSC)

 

現代におけるS・F(すこし・ふしぎ)の体現者と言えば石黒正数、つばな辺りの名前が挙がると思うんですが、高橋聖一もこの二人に引けをとらない名手ではないでしょうか。

前作『よいこのSF短編集』はかなり闇鍋感のあるごちゃ混ぜの一冊でしたが、それと比べるとこちらはかなり整理された作品のように感じます。とはいっても次から次へと飛び出すはちゃめちゃな展開の生み出すスピード感は前作と遜色ありません。

ポップな絵柄に矢継ぎ早に飛び出すぶっ飛んだアイデアに可愛い女子高生。めちゃくちゃ欲張りな漫画です。

 

米澤穂信古典部 / 米澤穂信

米澤穂信と古典部

米澤穂信と古典部

 

もう中学の時から読んでるシリーズなんで、こういうファングッズ的なものでも買っちゃうんですよ。反射で。

書き下ろしの短編の没原稿っぽさはまあ置いておいて、ファンなら買って損はないかなあという印象です。少なくとも僕は小説家のインタビューを読むのがとても好きなこともあって楽しめました。

あと後ろの方に他の作家から米澤穂信に質問するコーナーがあったんですが、辻村深月賀東招二なんかに混じって谷川流の文字があって「生きとったんかワレェッ!!」と思わず叫びました。

もう小説にして出せなんて無理は言わないので、「ハルヒはこうこうこうするつもりでした」みたいなメモを俺たちに読ませてほしい。早く呪いを解いてくれ。

 

 

あと宝石の国のアニメが良すぎてニコニコに課金して買ってしまいました。原作の漫画表現としての良さを上手く映像に落とし込んでて愛を感じます。

というかフォス役の声優さんめっちゃ上手ですね。初めて名前見る人だったんですけどとてもよい。エンディングが鈴木慶一作詞作曲なのもなんでだよって感じで良いです。

みなさんも観ましょう。フォスという存在超良い……ってなりますので。原作も買っていきましょう。

 

だいたいこんな感じでーす。