読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ならそれでいいです

そろそろ優勝したい

宣材写真で中指立てて独自性発揮した気になってるアイドルを両親の前で説教する権利が買えるなら500万払う

つい先日知り合いの女性が知り合いのバンドマンからドライブに誘われ、その車中で興味のないビートルズホワイトアルバム(蘊蓄つき)を無限リピートされる地獄が発生したと(インターネットを介して人伝に)聞いてクソデカい溜息が出たんですが、皆さんの溜息もクソデカですか?溜息を集めて雲を作りましょう。

もうね、僕のレベルになるとビートルズの数あるアルバムの中からわざわざホワイトアルバムを選ぶ「あえて感」からこのバンドマンの強烈なイキり電波(僕独自の概念です)を受信して脳がおかしくなるんですよ。やめてくれマジで。いやホワイトアルバム超好きなんですけど。

 

やっぱりドライブミュージック一つとってもセンスって出ると思うんですよね。そこ行くと僕の友人たちで車に乗るとSOUL‘d OUTとNICE GUY人のこの二曲が無限に再生されていて良いですよ。脳に良い刺激がある。


というわけでなんていうか、あの、その、僕らとドライブ、行きませんか?

行かない?は??なら一生車乗るなボケ。

 

 

女は歩け

 

女は歩け

 

女は、歩け。

 

 

ここ一か月の出来事を振り返りましょう。

 

まずは何故か3月に2回も静岡に行った話から始めましょうか。

僕の父の実家が静岡なのは僕ファンの間では有名な話だと思いますが、今回の来静はそれとは一切関係無いです。というか父の実家は10年前に火事で終わりました。良い猫屋敷だったんですが。

 

1回目はマジックザギャザリングというカードゲームの大会に参加するために行ったんです。俺がバンド活動よりも遥かに高いモチベーションで打ち込んでる趣味ですね。

「24歳にもなってカードゲームなんかやってんのかよ」とそこそこの頻度で言われるんですが、24歳にもなって彼女もいない上にフリーターバンドマンやってる方がよっぽどヤバいから問題ないですよ。アレ、なんで俺自分のこと追加で殴ったんだろう。

 

f:id:kajiwaradesu:20170418011533j:plain

 

今回の参加者は2700人ほど。去年5月に東京で開催されたものと比べると場所の関係もあってか少ないですが、それでも凄い人数だなあと思います。

さて、本戦の方はそれなりに練習をしていたこともあって全15回戦を戦う中で9勝2敗まではいったものの、そこから転落して4連敗。実力不足は当然あったんですが、少し不運だったような気もします。

f:id:kajiwaradesu:20170418012150j:plain

 

まあでも久しぶりに会う人たちと楽しくご飯も食べられて旅行としては満点でした。特に初日夜に行ったこのお店は回転寿司ぐらいの気軽さで美味い寿司が食べられてよかったです。

5月に神戸で開催される大会はスケジュール的に参加が厳しそうなんですが、これからも可能な限り大会には参加したいなあと思いました。

始めるには少し敷居が高いように思われる趣味かもしれませんが、機会があれば是非遊んでみてください。面白さは保証するので。

 

 

で、2回目はレコーディングですね。さっきの大会は静岡駅近辺で開催されたんですが、こっちは同じ静岡県内ではあるものの、別荘地として名高い伊豆にて行われました。

伊豆でレコーディングをやろうと決めたのは、エンジニアのやすさんと数年来の知り合いだからというのもあるんですが、友人のバンドがみんなそこで録っていてどれもめっちゃ音が良いというのが一番の理由でした。

↑同じく伊豆で録音された金子の新曲。チョベリバ良いのでみなさん聴きましょう。友達のパーソナリティがクローズアップされててなんだか気恥ずかしいけど映像もとても良いと思います。

 

で、結果的に大成功でした。伊豆スタジオ最高すぎた。

まず機材がとても良かったですね。ドラムもアンプも普段ライブハウスやリハスタで使っているものとは月とすっぽんでした。

 

特にアンプは顕著で、マジでアンプにつなぐだけでカッコいい音が出て笑いました。

ドラムのチューニングも良くて、僕らの好きなちょっとポコっとした音が録れて大満足です。内気なオタクだからガシャガシャしたやつが嫌いなんですよね。

 

それ以外にも本物のレスリースピーカーや、購入時の時価8500万円の卓、今回は使用しませんでしたがローズピアノやハモンドなど、単純に機材大好きなキッズである僕たちには少々刺激の強すぎる空間でした。

音色が云々というのは完全に自己満足の世界であることは理解しているんですが、それでも機材が良い、音が良いというだけで物凄く嬉しい気持ちで2日間過ごせましたね。

 

伊豆滞在中には岩井が食中毒になるトラブルがあったものの、2日で5曲を録る少し駆け足なスケジュールもなんとかこなして満足のいく音源が録れました。

販売時期やその方法については現在考え中ではあるんですが、早く聴いてほしいなあと思います。

レコーディングだけでなく朝晩の料理まで作ってくれたやすさん、宿泊のお世話をしてくれた大平さん、本当にありがとうございました。また来年も行きます。

 

 

楽しいことと言えばキネマ倶楽部でのピストルディスコ8周年記念公演もとても良かったですね。挫のスタッフだったんですが、単純に楽しんじゃいました。

鶯谷って初めていったんですけど、駅の改札抜けた瞬間にラブホ街だし、昼間から中年カップルがそこをネチャネチャ歩いてるしで凄い街ですね。なかなか興味深かったです。

 

ビレッジマンズストアめちゃくちゃかっこよくてビックリしました。水野さんみたいなイケメンにガッと見つめられながら歌われると、それだけでグッと来ます。

 Creepy Nutsも生で見られて超嬉しかったです。ミーハーなので下川氏と一緒にお願いして写真撮ってもらいました。優しい人で良かったです。

主催のゆうやさんもめちゃ良い人で仲良くなれて良かったです。また遊びましょう。

 

でまあこうして音楽楽しいなって出来事がある一方でやっぱ音楽(というかそれに関わってる人間)ってクソだわってなる出来事もあるんですよね。

4月12日は新宿モーションでライブがありました。ライブ自体はレコーディング明けということもあっていい感じで演奏出来たと思います。観に来ていた友人から照明の使い方で良い提案があったりしてそういう意味でも良いライブでした。

 

ただ問題は終演後、そろそろ帰ろうかというときの話で、機材保管用のラックに置いてあった僕のエフェクターボードにアルコールと思われる液体がかかっていたんですよね。当然中に入っていたエフェクターは濡れてしまっていました。

そのラックは僕らがいた控室ではなくホールの隅に設置されていて、終演後そこでは他の出演者の人たちとそのお客さんが打ち上げなのかなんなのか良くわからないですが飲み会みたいなことをやってたんですよね。

でまあそこにいる20人ぐらいの人たちは、この件について誰も名乗り出ることもないわけですよ。せめて謝ってくれればまだ気の落ち着けどころもあったんですが、もうなんていうか呆れたというか悲しいというかで最悪でした。

 

モーション側からは再発防止に努めるとの連絡があったんですが、特に何かしてくれるなんてことはないと思うんですよね。終演後のバー営業をやめるわけでもないだろうし。

悪いのは酒零してだんまり決め込んでる人だというのは間違いないんですが、濡れたボードを前に呆然としてる僕の横で酔っ払ってボディタッチしまくりながら騒いでる10歳以上年上の男女とか、翌日Twitter見たらその日の打ちあげで飲みまくってたことを嬉々として報告してるブッキング担当者とか、久々に「ああ、ライブハウスってこういう場所だったな」と思い出させてくれるイベントでしたね。

ライブハウスは高校生のときから通っている場所ではあるんですが、一生好きになることはないでしょう。単純に構成している要素に僕が好ましいと思うものが一つもない。

 

あとは草間彌生展にも行きました。

f:id:kajiwaradesu:20170418202256j:plain

↑かぼちゃと僕です

 

別にそんなに詳しいわけでもなくて「暴力的な色彩でやってる人」ぐらいのイメージだったんですよね。展示も友達に誘われなかったら行かなかっただろうし。けど結果的には行って良かったですね。たまには遠出もしてみるもんです。

実際色彩の暴力もあったんですけど、渡米前の作品とかめっちゃ暗いし、イメージと違う面も多々あったんですよね。でもやっぱ数十年の活動の中で一貫してるテーマみたいなものも明確にあったし、それがブレていない事実にはある種の怖さと美しさを感じました。

この人の何が世界的に評価されているのかということも観に行ったらなんとなくわかった気がします。制作時期を問わずどの作品にもはっとするような線がビシッと入ってるんですよね。芸術に明るくない僕でも圧倒されるものがあって、思わずスマホケースと缶バッジを購入しました。

 

展を観に行った日の夜の話なんですが友人から「ゴーゴーカレーのチャレンジメニューに挑戦するから八王子まで応援に来い」と連絡があったので行きました。

僕は普段24歳が10数人集まっているのに正規労働者が一人しかいない「ふぐり」という最悪の友人グループに所属しているんですが、その日も僕を入れて5名が八王子に集まっていて終わってるなと思いました。暇人の集まりかよ。

で、チャレンジメニューに挑戦と相成ったわけですが

f:id:kajiwaradesu:20170419041720j:plain

 

厨房で作ってるのを見た段階で「あっ無理だ……」という呟きが聞こえてきてクソ笑いました。

結局三分の一ほど残してしまい、無念のリタイア。

 

f:id:kajiwaradesu:20170419041839j:plain

 

余ったカレーは無駄にしないように持ち帰らせてもらってました。カッコよく上着を脱いで披露するつもりだったゴーゴーカレーTシャツが虚しい。

「ちょっとお菓子食べて来ちゃったんだよね」とか意味の分からないことを言ってましたが、司法試験への勉強地獄で心が壊れてしまったのでしょう。笑顔がぶっ壊れてるのもそのせいです。

 

ちなみに彼はこの世で一番面白い飯ブログをやっているので良かったら見てあげてください。脳がおかしくなった人間の文章が楽しめますよ。一番好きな回のリンクを貼っておきます。

 

あと特筆するようなことではないんですが、下川氏とめちゃくちゃ遊んでましたね。特に4月入ってからは週の半分ぐらい一緒にいました。それだけ互いに弱っていたということなんでしょう。

よく「そんなに会って何して遊んでんの」と言われるんですが

こういうことばっかしてます。そしてそのあと「このままだと死ぬまで彼女出来ないかもな」と真剣に落ち込んでます。 

 

だいたいこんぐらいですかね。1か月ほどの期間の割にはいろいろあったし去年の今頃と比べると充実した毎日だなあと思います。

いつものブログだとこのあと漫画その他の感想に入るんですが、今回の記事は書くこと(主にライブハウスへの悪口)が多くてここまでで4500字になってしまったので、分けて書こうと思います。久々にじっくりゲームをプレイしたのでその感想も長々書きたいですし。

というわけで、また数日中に更新出来ればと思います。

 

だいたいこんな感じでーす。

24歳男性のヘアスタイルとしておかっぱ頭というのはハッキリ言って異常だし早くなんとかしたいと思っている。20歳を過ぎたあたりからずっと。

なのでどなたか早くちょうどいいヘアスタイルを提案してください。

単純に顔が丸すぎるせいで選択肢が全くないので、消去法的に今の髪型なんですがなんとかならないですかね。

我ながら成人男性のチョイスとして異常な髪型であることは理解しているんですよ。だって俺は正常だカラ……。

 

 

f:id:kajiwaradesu:20170308065126j:plain

正常ってなんだ。あの青い空。

自分の常識を、疑え。

 

ブログの投稿間隔が2か月ぐらい空いてしまったんですが、単純に2月が死ぬほど忙しかったんですよね。めちゃくちゃ働いてました。

普段は最高にイージーモードで人生をプレイしているので申し訳程度の小銭だけ稼げれば良いぐらいのテンションで労に励んでいるんですが、3月は伊豆にレコーディングしに行く関係で通常の3倍ぐらい出費が発生することになり死にました。お前も殺したろうか。

あと人生でスケジュールがミチミチに詰まるという経験が一度もなかったのでスケジューリングに失敗して、8時間働いて1時間寝て8時間働いて1時間寝て8時間働くみたいなムーブを2月中だけで5回ぐらいやることになりました。これは完全に僕が悪いんですが、それはそれとしてあなたには死んでもらいます。

 

そういった労と労の隙間に差し込むようにして様々な出来事がありましたね。皆さんの生活にも出来事があったと思います。それと同じように僕の暮らしにも出来事が発生しているのです。

自分だけが人間だなんて、自惚れないでください。インターネット回線の向こうには、血と肉と骨で結束された生命体がとても静かに、しかし確実に存在しています。

 

そしてそれらは皆、今この瞬間でさえ息を潜めてあなたの命を奪うタイミングを窺っているのです。

 

 

遥かなる記憶遡行の旅に出ましょう。

 

 

まず2月11日はゲートボーラーズのワンマンに行きました。下北沢シェルター

↑良PV情報です。ストリングス入ると豪華な感じありますね。

 

チケット売れてんのか?とかめちゃくちゃ勝手に心配してたんですが、人間がギチギチに入っていて良かったなあと思いました。あまりにギチギチだったのでもうちょっと減らせとも思いました。

この日は本村が超良かったですね。ルックスもどんどん意味不明になってて何をやっても面白いみたいな域に達してきてる気がします。

f:id:kajiwaradesu:20170308071658j:plain

俺たち16歳の頃に出会ったけど、思えば遠くまで来ちまったよな。

 

でもまあこの日は差し入れに買っていったシェルター近くのお店でおばちゃんが揚げてるドーナツがめちゃ美味かったので、優勝はドーナツです。

メモ帳にも「ドーナツ。50000000000000点」とだけ記入してあったので糖と油の集合体に心が奪われていたことが分かる。俺は卑しい豚、四国の田舎で生まれた。

 

それはそれとして友達が良い感じにやっていってるのを観るのは嬉しいし頑張ろうって気になるから良いですね。

みんなこれからも頑張っていい感じにやっていってください。そして俺が惨めにならない程度に定期的に挫折してください。

 

 

2月18日は新宿レッドクロスで挫のスタッフ。昼公演でひめキュンフルーツ缶とのツーマンでした。

アイドルってジャンル的に全く触れたことがなくて、どんな感じなのかなと思ったんですがひめキュン最高でした……。超可愛いしエネルギーあるし、追っかける人の気持ちがちょっとわかった気がします。

筋少とか人間椅子とか(もちろん挫も)の曲歌って全然サブカル臭くならないアイドルって相当希少だと思いました。マンパワー

 

彼女たちは愛媛県松山市のご当地アイドルで、実は僕と同郷なんですよね。事務所の人と出身小学校が同じだったりでもっと色々話したかったんですが、昼公演のあとすぐ移動して横浜でインストアとのことだったので残念ながらあまり話せず。

また機会があったら絶対会いたいなと思いました。あとジュースとお菓子をひめキュンの皆さんから頂いたので「今日がバレンタインだっ!!」とバキバキのアイフォン(※まだ直せてません)に表示された『2月18日』のカレンダー表示を睨みながら吼えました。

人は、自分の認識次第でいくらでも世界を変えることが出来る。

 

 

2月23日は下北沢ガレージで岩井がやっているもう一つのバンド、BurnQueの企画でした。

残念ながら労と労に挟まれていた関係で一番手のイタルは観れなかったんですが、とても良いイベントだったと思います。

夕暮れの動物園久々に観れて嬉しかった。ルックスめっちゃ怖いところも含めて大好きです。

BurnQueも今まで観たなかで一番良かったです。岩井が楽しそうだと俺も嬉しい。

久しぶりの人も沢山会場にいて、挨拶したかったんですが終演後すぐ労だったため会えず。

定期的に企画やっていってくれるみたいなんで、みんなと会うのも含めて楽しみにしようと思いました。

 

 

2月25日は阿佐ヶ谷ロフトで挫のスタッフ。AV女優南梨央奈(みなりお)さんとのトークライブでした。

みなりおさん、下川氏のインスタなどを通じて僕のことも知っててくれたみたいで非常に光栄だなと思いました。

ツイッターも相互フォローになったんですが(分かってると思いますが俺は卑しい人間なのでこういう自慢を連発する)、みなりおさんのフォロワー150000人もいて目が150000の形になって飛び出してしまいました(この前「梶原ってこの言い回し好きだよね」と言われました。俺を解析しないでくれ)。

 

写真も撮ってもらったんですが

f:id:kajiwaradesu:20170308101402j:plain

ものすごく嫌な笑顔の自分がいて生きてて良かったなと思いました。

もし俺が身の丈に合わない格好のつけかたとかしだしたら、この画像を送って我に返るよう仕向けてください。

あとこの写真撮ってもらったあと、「なんか普通にありがとうございましたとか言うのも違うな」という全く必要のないイキりを発揮した結果、礼の言葉として「これで本日心置きなく射精できます」という最悪のチョイスをしてしまいました。俺は本当にこういうところがダメ。

 

それからこの日トークショーから打ち上げまで通じてずっと下ネタしか会話に出てこなくて、その事実に僕は結構感動したんですよね。

だってもし意識的にそういう話題を選んでいるなら物凄いプロ意識だなと思うし、単純にそういう話が好きだからしてるだけならそれはそれで最高じゃないですか?

 

打ち上げで他のAV女優さんがしてくれた「菜箸で×××を××された(自粛)」なんて話なんか、「甲本ヒロト少年がマンフレッド・マンの『ドゥ・ワ・ディディ・ディディ』聴いて畳を搔きむしりながら号泣して、それから世界の全てを最高に思えるようになった」話みたいなもんじゃないですか。違う?は?

夢を見せる職業に対しての意識について考えさせられたし、今後はもっと丁寧に射精していこうと思いました。バンドマン各位も今後は音楽の話か「初代ポケモンのミュウのグラフィックって冷静に考えなくても気持ち悪いよな」という話以外しないでください。

f:id:kajiwaradesu:20170308103749j:plain

かわいがれるかよ。

 

 

3月1日は下北沢モナレコードで自分のバンドのライブがありました。

岩井が寝坊してリハに来ないなどのアクシデントはあったんですが、ライブ自体はとてもいい感じに出来ましたね。

共演に外国の方が在籍してるバンドがいたんですが、その方に「用事があって最後の曲しか聞けませんでしたが音が良かったので他の曲も良いのだろうなと思いました」とめちゃくちゃ流暢な日本語で言われて根拠ゼロなのにすげえ説得力だと思いました。

 

初めて出演したモナレコは完全にカフェな造りなのもあってどんな感じかなと思ってたんですが、音も良いし演奏しやすかったです。またオファーいただけるとのことなので末永くお世話になれたらいいなと思います。

あと出演者限定でドリンクとタコライスかカレーのセットが500円で食べられるのも嬉しいですね。タコライス美味しかったので次回はカレーを頂こうと思います。

 

上述の通りレコーディングを23日24日の2日間行う予定で、次のライブは少し離れて4月12日の予定ですが良い感じに頑張っていきたいなと思います。

ライブの本数もちょっとずつ増やしていきたいですね的な。

 

拾い忘れてるのもあるかと思いますが、まあ大きな出来事はこんなもんすかね。労に追われながらも合間合間にこんだけ楽しいことがあって、我ながら良い人生だなと思います。

以下、例によって観たり聴いたりしたものの感想の列挙です。

 

 

それ町』完結しちゃいましたね。

なんていうかずっと続いていく漫画だと勝手に思っていたのでいまだにちょっと信じられないんですけど、それでもあまりにも完璧に出来すぎているエピローグを読むと思わず漏れ出る感嘆のため息と共に完結を信じざるを得ない、そんな素晴らしい最終巻でした。

シーサイドが普通の喫茶店に戻るところとか、「無限に繰り返されるような日常の中でも時間は過ぎていくんだなあ」という当たり前のことに気付かされてドキッとするんですよね。そしてその事実に対して感傷的にならずに良い思い出として目を輝かせる歩鳥とタッツンの眩しさ。

明確な完結の用意されている『ドラえもん』、というと褒めすぎですかね?でもそれぐらいの賛辞が送られても良い漫画だと思います。

 廻覧板もファンは必読と言っていい出来だったのでちょっと高いですけど絶対買ったほうがいいですよ。

 

 

寓話の戦車に乗っかっためちゃくちゃ壮大な恋愛劇『いかづち遠く海が鳴る』を描いた野田彩子先生の新作『潜熱』はこれまでの作品とはまた毛色の違う恋愛漫画でした。

潜熱(1) (ビッグコミックス)

潜熱(1) (ビッグコミックス)

 

恋愛漫画でヤクザが登場することは珍しくないですが、だいたいはデフォルメされているというか「少し乱暴で喧嘩っ早いけど根は純情で良い人」みたいなのが多いように感じます。

けどこの漫画のヤクザオッサン逆瀬川は本当に怖い。もうアウトレイジとかに出てきてもなんにも不思議じゃないですもん。

そのうえ昔から若い女囲いまくってて昔一人自殺させてる正真正銘のクズ野郎なんですよ。

 

けど主人公の瑠璃は逆瀬川の本性を知ろうが暴力を目の当たりにしようがどんどん彼に惹かれていくんですよね。

このへんの、ともすれば「主人公頭おかしいのか?」となりそうな部分を「でも恋愛って理屈じゃないもんなあ」という生々しさに変換したうえで喉元に突き付けられているように感じるのは、もう完全に作者の力量の為せる技ではないでしょうか。

二人のこれからが見たいような、見たくないような。個人的には今一番続きの楽しみな恋愛漫画です。

 

 

恋愛もの、という曖昧な括りでいくと『漫画として現れるであろうあらゆる恋のためのプロレゴメナ』も良かったですね。

これ、実際に読んだ人からは「恋愛じゃなくてギャグ漫画だろ」という突っ込みが入りそうですが、作者本人が恋愛ものだと思って描いたと言ってるんだから恋愛ものですよ(原理主義)。

この漫画の特徴はやっぱり一切噛み合わない登場人物同士の会話だと思います。本当に一度たりとも人物の口から放たれたセリフが正しい形で正しい相手に届いている感触がしないので、読んでいるとどんどん脳が緩んでくる。

 

特に主人公二人が動物園に行き、手を握ったり下の名前を呼んだりするだけで精神が耐えられず嘔吐する様子が描かれていると思ったらいきなり4コマ漫画になる(書いてる意味がわからないかもしれませんが、マジでこの通りの展開です)7話のスピード感は凄まじく、もうこれだけで優勝している感すらあります。

ツッコミ不在(ギャグ漫画ではないため)でひたすら転がる、交通事故に遭遇したような気分になれる良い漫画です。

 

その他、『ダンジョン飯』『辺獄のシュヴェスタ』『ランド』辺りは新刊も相変わらずの面白さでしたね。『シュヴェスタ』は次巻で完結とのことなんですが、どう締めるのか今から楽しみでしょうがないです。

 

 

あと施川ユウキの新作『銀河の死なない子供たちへ』、凄まじい漫画が始まったなと思いました。

「永遠の命」というある意味では平凡な材料に対して、真っ向からそれを取り巻いて経過していく時間を描くことで料理とするっていう、もうこの横綱相撲感にグッときちゃうんですよ。

はちゃめちゃに膨大な時間が流れていくことを丁寧に丁寧に描写していった結果、途方もない孤独や死生観を揺るがされているような感覚が付随してくるというのは一体どういうことなんでしょうかね。

冒頭で唐突に韻を踏み始めたパイが、余りにも長すぎる暇つぶしの末についた一息の証のように歌う曲が『星めぐりの歌』なのとか演出として完璧すぎて読んでいて「は?」って声に出てました。まだ一話だけなのに、もうこの時点で名作間違いなし!って言い切れちゃうんですよね。みなさんも読みましょう。

 

 

 

Dirty Projectorsの新譜、超が100個つくぐらい最高なんですがみなさん聴きました?

もうこの曲がリードトラックとして発表された時点で絶対名盤だなとは思ってたんですよね。なんなんだこの曲。

ここ何年かポップミュージック界隈では黒人音楽、特にR&Bを取り入れた音楽が凄く流行っていて、去年なんかはもう年間ベスト級のアルバムがことごとく黒人R&B、或いはヒップホップのものだったじゃないですか。

そういった流れに対してこのムーブメントが起こる前からそういう音楽をやっていたDirty Projectorsがどんなアルバム作るのかと楽しみにしていたんですけど、期待を遥かに上回る良さで本当に嬉しいです。

 

もうなにより歌が良いですね。ものすごく丁寧に丁寧に歌ってる感じがして、少し複雑な曲調のものでも肩肘張らずにスッと聴くことができます。

それから音!上に貼った曲の太鼓と歌が絶対に混ざらないのに邪魔はしていない感じとか一体どうやって音作ってんだろう。録り音がめちゃくちゃカッコいいとそれだけで聴いててウキウキしてしまいますね。

 

これから先で新譜が楽しみなのはアーケイドファイアですかね。ただリードトラックが

正直微妙だったので若干アルバムが不安でもあるんですが……。


 

いくつか拾い忘れあるとは思いますが、1月2月もこうして良いものに沢山触れられました。やっぱり受け手に対しての誠実さみたいなものが伝わってくるような作品が好きだなと思った次第です。

3月も良い漫画や小説や音楽に触れて、レコーディング頑張ろうと思います。

 

だいたいこんな感じでーす。

俺が俺であることに価値を感じているのは俺だけ

明けていますか?おめでとうですか?僕ですよ。

 

人生思ったよりすぐ終わるので生き急いでいるぐらいがちょうどいい気がしてきているこの頃ですが、それはそれとして冬は何もやる気が起きませんね。

最近の睡眠事情はもう完全にダメで、15時間ぐらい寝たかと思うとそこから数日あまり眠れず不調みたいなのの繰り返しです。

完全に冬眠のそれでこんなんで大丈夫か24歳という感じです。人権が剥奪される日も近い。

 

9日は挫の手伝いで新宿レッドクロス。ボヘミアンズとのツーマンでした。

ボヘミアンズの物販と机が並んでいたんですが、ボヘミアンズのスタッフさんから「〇〇ミュージック(事務所名)××です」と挨拶されて咄嗟に「あっ、えっと……下川の友達の梶原です」と返したの我ながら最悪だなと思いました。新年早々0点を記録。

 

あと新潟からはるばるやってきた高校生の男女が素敵すぎて、その眩さに目が潰れました。若さとかそういうんじゃなくてただただ差を見せられた気がします。

僕にはああいう風に生きている時間なんて一秒もなかった気がするんですが。そしておそらくこれからもない。

ともかく今回もとても楽しかったです。2017年もよろしくお願いします。

 

それから1月22日は下北沢デイジーバーで自分のバンドのライブがあります。新年最初なんで良い感じにスタート出来ればなという気持ちです。 

f:id:kajiwaradesu:20170116062917j:plain

誰かが作ったWEBフライヤー。バンド名の大文字小文字が間違っているんですが、たぶんメンバー含めて気付いてるの僕だけです。

 

以下、漫画などです。いきなり最高漫画が出版されまくりました。

 

「映像研には手を出すな!」ずっと楽しみにしてた単行本第1巻が出ました。最高。

映像研には手を出すな! 1 (ビッグコミックス)

映像研には手を出すな! 1 (ビッグコミックス)

 

女子高生3人がアニメ作る漫画なんですけど、ものを作ることや頭の中にあるものを形にすることの楽しさやワンダーに満ち溢れていてとにかく読んでてワクワクするんですよね。

作中に毎回のように登場する設定画のやたらディテールにこだわる感じとか、制作時間足りなくてあの手この手で誤魔化しちゃう感じとか、経験の有無に関わらず誰もがなんとなく共感できちゃうんじゃないでしょうか。

 

単行本の帯には「青春冒険譚」という凡そ学校を舞台にした漫画が冠するに相応しくなさそうな文字が踊っていますが、読めばこの言葉が嘘でも大げさなものでもないことが分かると思います。

とにかく浅草を始めとした主人公3人の想像の跳躍力が凄くて、(想像の中で)飛行船飛ばしたり、(想像の中で)スカートにプロペラ取り付けたり、(想像の中で)風車おっ建てて背景を滝にしたり、もうなんでもアリなんですよ(舞台となる芝浜高校の外観もクーロン城みたいで超イケてます)。

そのとめどないアイデアを彼女ら自身が制御出来てない感じも伝わってきて、その危うさも本作の魅力ですね。この一体どうなるんだ感には冒険の臭いを感じざるを得ないです。

 

パースのついた吹き出しを始めとした映像的な演出も、作品の内容と合っていてグッド。作者もアニメーションを制作していたとのことでなるほどという感じです。

単行本がアマゾンで品切れになったりで既にかなり注目度も高いようですが、今後どんどん面白くなっていくと思うので続巻を楽しみにしたいです。

↑で第1話が読めるんで読みましょう。僕は終盤の見開きで鳥肌立ちます。

 

売野機子のハートビート」も最高でした。控えめに言って100億点。

売野機子のハート・ビート (フィールコミックスFCswing)
 

音楽を題材(音楽漫画というわけではないです)にした恋愛漫画4本を収録した短編集。個人的には冒頭に配置された「イントロダクション」でのヒロインじゅりが登場するシーンで完全にやられました。

この人の漫画には毎度毎度とてつもない引力のコマが必ずどこかで現れては読者を殺しにくるんですが、僕にとってはそのシーンが今作のそれです。是非読んで確認してほしい。

 

4本とも違った毛色の作品なんですが、どれも甲乙つけがたい良さでした。女性誌に掲載された作品群だけど誰にでも響くところがあるんじゃないですかね。

ワガママを言わせてもらうなら「青間飛行」の扉絵は雑誌掲載時同様にカラーで読みたかったなと思ったり。本当に素敵な色合いなので。

 

「hなhとA子の呪い」は2巻で完結しました。

hなhとA子の呪い 2 (リュウコミックス)

hなhとA子の呪い 2 (リュウコミックス)

 

もうね、めっっっっちゃ良かったです。

 

本編最後の1ページが素敵すぎてこんなに美しいラストあるの!?ってなりました。そしてその少し後について触れたあとがき漫画はでいち先生の愛を感じましたね。

「愛とは」的な恐らくはいつまでも終わることのない問に対して「燃え尽きてしまっても余熱だけで生きていこう」とするというのは、作品の内容も踏まえて考えるとこれ以上ない答えだったのではないでしょうか。

性欲の存在やそこに追随する快楽や永遠の愛などないかもしれないということを認めつつ、それでも出来る限り美しくあろうとすることの素晴らしさよ。

 

「人を好きになるということ」なんていう小4の国語の教科書かよみたいな内容で夜も眠れないほどに悩んだことのあるオタクたちは全員読んだほうが良いと思います。

壮大なテーマに真っ向からぶつかって確固たる答えを提示してみせた中野でいち先生に拍手(おもむろに立ち上がり、そしてすぐ座る)。

 

1月の上旬が終わった時点でこんなに良い漫画出まくってて一体2017年どうなっちゃうの??って感じです。漫画は最高。

 

あとWEB漫画の話ですが、牛帝先生の新作も良かったです。こういう「最初ちょっと上手くいって調子づいてオールインしてみたら別に才能も根性もないため死ぬ」みたいな話見ると「俺か?」となりますね。俺です。

牛帝先生は「同人王」のときからかれこれ10年ぐらい読み続けているので、こうやって新作が読めるのはとても幸せなことだなと思います。

 

俺はメッチャ本気出してこれ

 

 

 

「僕のミステリな日常」良かったです。こういう短編連作もののミステリは読みやすさと読み応えが両立されてて好み。

ぼくのミステリな日常 (創元推理文庫)

ぼくのミステリな日常 (創元推理文庫)

 

基本的にミステリはトリックを解明するというよりは、提示された情報だけ脳内で整理して謎解きの場面でめちゃ驚く非常に効率的(馬鹿丸出しかもしれない)な読み方をします。

今作も読んでるときに覚えた違和感に解決編でしっかり言及してくれて、そのうえで楽しめるオチが用意してあって良かったです。満足度高し。

あと個人的には謎解きにはそれ単体でのサプライズの強さよりも、ストーリーや人物と結びついて心に残るものが好みですね。まあトリックだけで最高!!ってなるやつもかなりあるんですけど。

 

まあ2017年一発目はこんな感じですかね。今年も色々良いものに囲まれて過ごしていきたいもんですね。

 

あと最近筒美京平ブーム来てます(日本人なら誰でもいつでも来てるだろという見方もある)。このへんもApple Musicで聴けるの本当にありがたい。


だいたいこんな感じでーす。

 

今年の呪い今年のうちに~2016年マイベスト(漫画編)~

明けました。

 

一日遅れてすいません。

「今年の呪い今年のうちに」とか言ってこの失態ですからね。2017年もボンクラ全開。

というわけで後編です。今回の記事は全てを使って漫画について書きます。

 

漫画

 

今年1巻あるいは最終巻が刊行されたもの(あと短編集)の中から紹介していきます。

この制約、本当になんなんですか?

紹介が難しいやつとそうでないやつがあり、前者はめちゃくちゃ簡素に紹介します。

あとなるべく気を付けてはいるんですがネタバレもしがちなので注意してくださいね。 

 

ミッドナイトブルー / 須藤佑実

ミッドナイトブルー (フィールコミックス)

ミッドナイトブルー (フィールコミックス)

 

日常と非日常、コメディとシリアスの境界をひょいひょいと飛び越える不思議な読み味の前作「流寓の姉妹」もとても良かったんですが、女性誌フィールヤングで発表された短編をまとめた本作はそれ以上の良さです。

 

歪な恋愛ばかりを取り扱ってはいるんですが、読んでいるうちにその歪さが登場人物たちのピュアさに依るものだと気づかされるんですよね。

ピュアだからこそ不器用であり、少しのことで歪んだり傷ついたりしてしまうけれど、本作は徹底してその弱さともなり得る一面を肯定し続けています。

そしてそんな人物たちを俯瞰するように描いているところに、フィクション上の恋愛への憧憬やもう恐らくそれらの美しいものが手に入らないであろうことへの諦めが見え隠れするあたりが絶妙です。このあたりがノスタルジックな読後感を残す理由かもしれません。

 

収録作の中ではやはりというべきか表題作でもある「ミッドナイトブルー」が白眉だと思います。

物語の開始時点で完全に分断されてしまった二人の関係が、か細い1点だけを残しながら時間、そして距離すらも離れていくどうしようもなさが胸を打ちます。

終わったあとに始まる恋愛、というものの美しさと虚しさに思いを馳せずにはいられない一編で、これだけでも読む価値はあると思うのですが、他の収録作との対比がより感動を引き立てていると思うのでぜひともコミックス一気読みで楽しんでもらいたいです。超オススメ。

 

 

ソフトメタルヴァンパイア / 遠藤浩輝

遠藤浩輝がなんかポップなノリですげえジェノサイドしてる!!!!→最高

ボンクラどもはさっさと書店に走れ。

 

 

 青猫について / 小原愼司

小原愼司の新作はまさかの劇画でした。

セーラー服を纏った剣客少女青猫が仇を探しつつ気に入らねえやつをバッサバサと……みたいな書き方をすると痛快なチャンバラものみたいですが、実際はドロドロの復讐譚ですね。

正義なんてものはありゃしない、終戦直後の東京で繰り広げられる一切遠慮のないエログロ劇は読み手を選びそうですが、耐性のある方には読んでもらいたいなと思います。

 

 

ろみちゃんの恋、かな? / 武田春人

ろみちゃんの恋、かな? (楽園コミックス)

ろみちゃんの恋、かな? (楽園コミックス)

 

表紙を見て分かる通り非常に個性的(超オブラート)な絵柄の漫画です。そしてジャンル的には百合ということで、僕も友人にすすめられるまでは購入を検討してすらいませんでした。

ですが読んでみるとめちゃ良かったです。正直登場人物の判別がつかないことすらあるんですが、そんなことは些細なことのように思えるほどテンポ良く読まされてしまいます。

 

主人公二人とその周囲の人物の掛け合いを楽しんでいると、いつの間にか二人の関係性が変化していることに気付きその描写の自然さに驚かされました。

友情恋愛信頼なんて言葉の意味もわからないままに、お互いを大事に思う気持ちだけが募っていく二人を応援せずにはいられない柔らかくて温かな漫画です。来年は百合にも手を出してみようかな。

 

 

漫画ルポ 中年童貞 / 桜壱バーゲン

もうタイトルと表紙で作品の説明が完了していますね。少しでも眉を顰めた方は回れ右でお願いします。

 

桜壱バーゲン氏の「あの」オッサンたちの絵で真に迫った非モテエピソードを連打されると、最初のほうこそ笑っていられるものの段々感情が平坦になっていきますね。

自尊心が強すぎたり、あるいは弱すぎたりで女性と上手くコミュニケーションが取れない感じとか身につまされるものがありありですね。漫画から学ぶところは多い。

 

 

取水塔 / 粟岳高弘

取水塔

取水塔

 

いつもの粟岳漫画です。つまり意味不明。つまり最高。

謎の動力で女の子が空を飛んだり、謎の生き物と女の子が出会ったり、謎の原理で女の子がワープしたり、謎の女の子が全裸になってたり。いい加減にしろ。

 

ただ本作は作者の入門編としては最適だと思います。理由はこれが長く同人活動で書かれた続き物をまとめたもので、ストーリーが明確にあるから(他作品は基本的にストーリーのない話が多く、悪い夢が弾けたように終わることも珍しくない)。

意味の分からないものを意味の分からないまま楽しめる人や、へんてこSFが好きな人はハマると思います。知らず知らずのうちにクセになっている作家です。

 

 

わたしのカイロス / からあげたろう

わたしのカイロス 1巻 (バンチコミックス)

わたしのカイロス 1巻 (バンチコミックス)

 

星新一の「処刑」を思わせる最高なイントロダクションからの切迫したバトル、SF的ガジェット、王道のようで捻りの加えられたファンタジー世界。もうたまらないですよね。

上記リンクから物語の導入部が読めるのでちょっとでもピンと来た方は是非。

本作を構成する要素がいちいち僕の好みなのでちゃんとした紹介はできません(素直)!巻数も少ないですしいまのうちに追いかけはじめたほうが良い漫画だと思います。

 

 

hなhとA子の呪い / 中野でいち

hなhとA子の呪い(1)【特典ペーパー付き】 (RYU COMICS)

hなhとA子の呪い(1)【特典ペーパー付き】 (RYU COMICS)

 

創作するということにまつわる業を真正面から描き、文句なしのハッピーエンドでまとめあげた意欲作「十月桜」で単行本デビューした中野でいち氏の新作。

本作のテーマは「性欲」。とにかくこの人は主題の選び方というか目の付け所が独特ですね。

 

セックスなしで恋愛は成立するのか、いま自分の抱いている感情は愛なのか性欲なのか、という恐らく誰もが考えたであろうテーマを外連味全開のキャラに背負わせることで、どこか喜劇的な味わいすら出てきているのが凄まじいところです。

自身の鏡のような存在のA子に振り回される針辻は、その幻影を振り払って真実の愛に辿り着けるのか?そしてそこに性欲は存在しないのか?ハイスピードで進む物語の行く末が今から楽しみです。

 

 

変身! / 横山旬

変身! 3巻 (ビームコミックス)

変身! 3巻 (ビームコミックス)

 

無機物有機物なんにでも変身出来る能力を持つヒデが、何故かそれを見破れる超オテンバのマリに振り回されながらドタバタを繰り広げる不思議コメディ。4月に出た第3巻で大団円を迎えました。

作中での時間経過に伴って成長したヒデの変身能力もどんどん進化していき、一体どこに着地するんだろうかと不思議でしたがものすごくきれいに纏まったなと思います。

 

思わずバッタで童貞を捨ててしまうぐらいには変身能力以外が情けなさ過ぎるヒデ。彼のそんな普通の男の子であることが物語を動かす原動力になっているのも面白いところです。

最終巻で彼の見せた『最後の』変身のスケールのデカさには思わず笑ってしまいましたが、エピローグ的位置づけの最終話も含めて魅力的な登場人物が全員そのらしさを発揮していて読んでいてずっと楽しめるお話でした。

 

 

ヨルとネル / 施川ユウキ

こういう「いつか終わりが来るとわかっている逃避行」が性癖と言ってもいいぐらいに好きなんですよね。理由は不明なんですけど(「イリヤの空、UFOの夏」の影響?)。

 

実験施設から逃げ出してひたすら南へ向かう二人の小人(身長11センチ)の少年の道中を描いた本作は、基本的に説明的な描写の省かれた軽いタッチで描かれ、なんどか訪れる危機もそこまで深刻になることなく退けます。

そして一つの山場を越えたところで明かされる真相と迎える旅の終わり。ある種唐突にも感じられるんですが、そこには妙な納得感があって、それを支えているのが序盤の軽妙なやり取りのリアリティなんだと思います。

 

施川ユウキ作品を読んでいて思うのは「この人は発見の天才なんだろうな」ということです。発想力というのはものを作る人間にとって必要不可欠なものだと思うんですが、氏はそれに加えて生活の中での「気付き」とそれを物語の一部に変換して伝える能力が圧倒的に高いのではないでしょうか。

本作から例を出すと本のページの間に挟まって「押入れで布団に挟まるのに似てるかも」「(中略)意外と早く飽きるだろ?」というやり取りをする件があるんですが、こういった「本来分かりえないはずのものを受け手が共感できるところまで降ろす」のが抜群に上手いんですよね。たぶん本を読みながら「これの間に挟まって寝たら気持ちいいんだろうな」とか考えているんじゃないですかね。

こういったものの積み重ねがあることで受け手は終盤の急な展開に納得しやすくなっているんだと思います。なにより実際の別れや終わりは想像よりも突然であることを我々は実体験から知っているわけですし。

 

序盤の楽し気な小人二人に感情移入すると、それぞれが「終わってしまったもの」「これから終わりゆくもの」に姿を変えて、それでも進んでいくラストには心を動かさずにはいられません。

物語の終わった後にまだ少し残った続きのことを考えると、某映画の「天国じゃ、みんなが海の話をするんだぜ」という名セリフが頭に浮かんでしまいます。オススメです。

 

 

双亡亭壊すべし / 藤田和日郎

双亡亭壊すべし 1 (少年サンデーコミックス)
 

2015年の個人的ベストは「黒博物館ゴーストアンドレディ」だったんですが、最新作のこちらも読みごたえ抜群でさすがといったところです。

空爆だろうがなんだろうが破壊できない幽霊屋敷、双亡亭を敵役に据えたホラーアクション漫画で、同作者のファンなら間違いなく楽しめるんじゃないでしょうか。

未だ全容の見えない双亡亭の底知れなさは過去作の敵キャラと比べても異質なものに感じますし、作者の新たな代表作になる予感がプンプンします。

 

 

春の呪い / 小西明日翔

春の呪い: 1 (ZERO-SUMコミックス)

春の呪い: 1 (ZERO-SUMコミックス)

 

溺愛(依存)していた妹の春が自分の全てだった夏美は、春の病死後その婚約者冬吾と交際を始め妹の痕跡を辿る……。あらすじ書いただけでお腹が痛くなりそうですが、とにかく鮮烈な第1巻が印象的だった本作はクリスマスに刊行された第2巻で無事完結を迎えました。

とにかく登場人物が少しずつ壊れてるのが最高ですね。特に表面的には明るくて能天気にも見える夏美が抱える春への歪み切った愛情なんかは凄まじいものがあります。

 

故人であり穏やかで可愛らしい女性といった感じの春の人物像が、自身の闘病の中で渦巻く心境を吐露したSNSアカウントの発覚を経て一気に反転する2巻冒頭の展開は圧巻でした。

特に切実で儚くささやかなもののように見えた「棺に冬吾と撮った写真を入れてもらう」という夏美へのお願いに隠された真相には背筋の凍る思いでしたね。死への恐怖や深い悲しみ、割り切れない嫉妬心が生んだそれが最も強く残った春の痕跡だというのは、皮肉な話です。

三人の中では冬吾が一番まともかもしれませんが、まあ彼も彼でいろいろ問題があります。夏美とはお似合いだと思いますけど。

 

そしてこれらのドロドロしたアレコレを抱えながら、捨て鉢になりきらない程度にヤケクソに、でも前を向いて進んでいくラストは、批判もあるようですが個人的にはとても良かったと思います。

二人の間にあるものが恋愛感情なのかどうかは判然としないところではありますが、ある種共犯関係的に繋がった二人の着地点はそこに至るまでの過程を考えると自然かつ現実的なようにも思います。

もしもこの先が地獄へつながる道で未来が呪われたものだろうと、二人なら歩いて行けるってことなんでしょう。オススメです。

 

 

バタフライ・ストレージ / 安藤維子里

バタフライ・ストレージ 1 (リュウコミックス)

バタフライ・ストレージ 1 (リュウコミックス)

 

人は死ぬと蝶になり、肉体は朽ちて塵となる。という幻想的な特殊設定を物語の根幹に据えたSFアクション。幻想的なファンタジー短編を多く発表していた作者だったので、この作風の変更には驚きました。

やはりこの蝶に関する設定が秀逸ですね。その希少性から蝶が秘密裏に高値で売買されていることや、警察とは別にそれらを取り締まる機関があること、個人的な事情でその機関の職員の中でも蝶に対する思いが人一倍強い主人公の異常性など、全てに納得がいく説明がされているところもいいですね。

 

49日以内に特殊な処理をしないと消えてしまう蝶の儚さや、それを文字通り「食べて」しまう敵の恐ろしさなど、読み手を惹きつける要素が他にも満載です。

まだストーリーは序盤も序盤かと思われますが、最近少し元気のないこの手のジャンルのなかでは断トツで楽しみにしている漫画です。

 

 

よろこびのうた / ウチヤマユージ

よろこびのうた (イブニングコミックス)

よろこびのうた (イブニングコミックス)

 

広告でもときどき見かけるので、結構知っている人は多いんじゃないでしょうか。

老夫婦の焼身心中を出発点に、時間を巻き戻して何が起こったかを描いた異色作です。前作「月光」もそうだったんですが、サスペンス的な題材でありながらどこかのどかな雰囲気を持っているのがウチヤマユージ作品のいいところですね。

 

穏やかに「正しく」生活していたはずの人々に災害のように降りかかった事件の顛末。そしてそれが引き起こす不幸を経て冒頭の選択に至る、という流れを見ているとシンプルなタイトルに様々な意味合いが隠されているようにも感じます。

老々介護を扱った作品ではありますが、ノンフィクション的要素は求めず単純にサスペンス、そしてラブストーリーとして読むのが良いと思います。

 

 

コオリオニ / 梶本レイカ

コオリオニ(上) (BABYコミックス)

コオリオニ(上) (BABYコミックス)

 

稲葉事件と呼ばれる北海道警察の不祥事をモデルにしたノワールボーイズラブ漫画でもあります。

上半期にネット上でそこそこ話題になってたんですが、BL作品だからといってスルーするにはあまりに惜しい作品だと思います。

 

情報量熱量がとんでもなく、読んだらみんなぶっ飛ばされると思います。腰据えて読んでほしい漫画ですね。

大きな組織を巻き込んだ物語全てが結局人間の掌に収まっていく(なのにスケールダウンした感はない)様子だけで、作者の力量がとんでもないことが分かってとてもいいですね。

社会派っぽい要素とか、なによりガッツリBL漫画(耽美な絵柄で獣みたいに男同士が絡み合います)であるところとか、お世辞にも万人に受け入れられやすい作品だとは言えないんですが、今年読んだ中で一番熱のこもった漫画だったのは間違いないです。オススメ。

 

 

と、まあこんな感じですかね。今年は良い漫画がたくさん読めて良かったです。

あと個人的にライフタイムベスト級の漫画である「G戦場ヘヴンズドア」の完全版の刊行も嬉しいニュースでしたね。読んだことないオタクは読んでくれよな。

それから今年の漫画といえば「この世界の片隅に」も外せないと思います。

映画もとても良かったですが原作には原作にしかないワンダーが詰まっているのでオススメですよ。

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)

 

 

それからWEB漫画の話も少ししましょうかね。あんまり2016年は読まなかったですけど。

まずはなんといっても「密着!帰宅部24時」の完結は大きなニュースだったと思います。 

僕が高校生のときからずっと楽しく読ませてもらいました。一旦完結とのことで番外編など楽しみにしています。お疲れさまでした。

 

あと去年一番ハマったWEB漫画であるところの「氷の鱗」は続編の「ミスター残念賞」が連載中です。読んでて最高に背筋がピリピリする。


そんな感じの2016年の漫画でしたがベストを一冊挙げるなら

 

 

かんぺきな街 / 売野機子

かんぺきな街 (ウィングス・コミックス)

かんぺきな街 (ウィングス・コミックス)

 

こうなっちゃいます。

どうオススメしたらいいかわからないんで、とにかく読めという気持ちが強い。

 

とても素敵な絵ととても素敵な言葉がとても素敵な物語になりました!みたいな漫画です。伝わりました?

 

絵からなにから美しすぎるので、読んでいるうちにどんどん語彙が消滅していくんですよね。言葉はいらないってこういうことなのかな。

売野氏は「クリスマスプレゼントなんていらない」も最高だったんですが、一冊選べって言われたらこっちかなという感じです。どっちも甲乙つけがたいんですけどね。

 

とにかく「こんな漫画読んだことねえ!」となる一冊です。マジで読んでくれ。

漫画に限らず2016年触れたあらゆるものの中でベストだと思いました。俺もこうなりたい(?)。

 

というわけで2016年マイベスト、漫画編は売野機子先生の「かんぺきな街」でした。本当にこれはオススメなんで、お願いします。

 

 

2016年を振り返る企画は以上です。2017年も沢山素敵なものに触れていきたいですね。

今年も細々ブログや営みを頑張っていくのでよろしくお願いします。

 

だいたいこんな感じでーす。

今年の呪い今年のうちに~2016年マイベスト(小説と音楽編)~

皆さん知ってます?もう終わるんですよ。えっいや僕が終わるんじゃなくて2016年もそろそろ終わりですねって話です。

というか僕はもう終わってるんで。今少し長めのエピローグなんで。

 

で、年の瀬なんで今年一年起きたことを振り返ろうかなあと思ったんですが

 

・去年の9月にギターがいなくなって以来長らく放置していたバンド活動を再開した(岩井を始めとしてみんな本当にありがとね)

・挫の手伝いをやり始めた

 

めっっっちゃ頑張って絞り出してこの2つしかなかったですね。

前者はギリギリ人権与えられそうなんですけど後者なんか実際は友達とわちゃわちゃしてるだけから実質1つ。僕の2016年は限りなく虚無に近かったことがお分かりいただけると思います。

 

で、じゃあお前この365日8760時間まともに人間やらずに何してたんだという話になるんですが、そこそこの量の漫画と小説を読んで少し映画と音楽を鑑賞していたんですね。

ブログを開設した2月の時点で再読込みで漫画200冊小説150冊を読むという目標を立てていたんですが、僕が世界一雑につけている読書メモによると漫画は今月上旬の時点で250冊を突破、小説はつい先日読んだ「消失!」が80冊目ということで漫画のみ達成できたようです(メモは本当に雑なので信憑性はクソ低い)。

消失! 綾辻・有栖川復刊セレクション (講談社ノベルス)

消失! 綾辻・有栖川復刊セレクション (講談社ノベルス)

 

まあ目標達成率こそ50パーセントですが音楽と合わせると他人様の創作物しゃぶることに結構な時間を注いでたということになるわけで、じゃあ聴いたもの読んだもの振り返れば2016年の総括も出来るんじゃないかという考えに至ったんですよね。

 

というわけで年末スペシャル。今日と明日投稿する2記事に渡って今年触れたものから選りすぐった様々をお伝えしていきます。

摂取した分量的にどうしても漫画が多くなってしまうので、前編となる本日はそれ以外を取り上げようと思います。まあ要は音楽と小説ですね。

 

と、紹介に移るまでの前置きがとにかく長い。俺という人間の面倒な部分が出まくっていますね。お世話になってます。

 

小説

 

というわけでまずは小説から。

小説に関してはほとんど新刊を読まない(特に理由はないです)ので「今年初読したもの」から紹介していこうと思います。

この制約に関心のある人、存在するのか?

 

竜が最後に帰る場所 / 恒川光太郎 

竜が最後に帰る場所 (講談社文庫)

竜が最後に帰る場所 (講談社文庫)

 

今年の前半は恒川光太郎ばかり読んでいましたね。久しぶりに自分と波長がぴったり合う作家を見つけられて嬉しい限りです。

デビュー作にして一番有名だろうと思われる「夜市」ももちろん最高なんですが、個人的には一作選ぶならこれですね。

 

氏の持ち味である幻想的な雰囲気を持った全5作を収めた短編集なんですけど、個人的なお気に入りは「迷走のオルネラ」。

これでもかと詰め込まれた悪趣味な要素と、人間の業を思わずにはいられないラストが、作中作のファンタジックな味わいと合わさってなんとも言えない余韻をもたらします。

 

「鸚鵡幻想曲」なんかは出だしの部分から強烈に興味を惹かれる設定が飛び出してきて良いですね。

氏の作品はありがちな設定に一捻り加えて全てを反転させるようなものが多いように思うんですが、本作に収録されているそれぞれのお話は一体どこから思いついたんだというものばかりで、さながら奇想博覧会といった様相です。

 

ファンタジーが好きという方にも、少し変わったお話が読みたいという方にも気に入ってもらえる一作ではないでしょうか。恒川光太郎入門としても最適だと思います。超オススメ。

 

 

扉は閉ざされたまま / 石持浅海

扉は閉ざされたまま (祥伝社文庫)

扉は閉ざされたまま (祥伝社文庫)

 

犯人の目論見を冷酷なまでの推理力で看破していくぶっ飛び女、碓氷優佳を探偵に据えたミステリシリーズの第一作。クローズドサークルものの名手である作者の腕が存分に発揮された一冊です。

犯人が犯行を犯すところから物語が始まる倒叙ミステリの形式をとっている本作ですが、犯人の視点から徐々に迫ってくる優佳を見ているとどっちが悪役なのか分からなくなってしまうぐらい、本シリーズの探偵は怪物的でそれゆえに痛快です。

 

ちなみに本作を読んだ知人から「動機がよくわかんねえ」「登場人物の倫理観どうなってんの」という意見があったんですがミステリに倫理観なんか期待すんな!と思いました(暴論)。

まあ確かに少し異常な論理が出てくることは確かなので、その辺を気にしないという方にオススメです。人が死ぬ話、最高~~!! 

 

 

コレクションズ / ジョナサン・フランゼン

コレクションズ (上) (ハヤカワepi文庫)

コレクションズ (上) (ハヤカワepi文庫)

 

今年自分へのお年玉的なアレとして買ったやつですね。

皆どこかしらぶっ壊れてる家族のドタバタを、それぞれの抱える問題にフォーカスを当てながら一つのゴールまで結ぶように描いた笑い成分多めの小説です。

 

読み始めてちょっと苦手そうなノリだなと思っていたんですが、次第に止まらなくなって上下巻一気に読破してしまいました。

悲惨な状況をコミカルに描くことで読み手には負担を掛けずにその悲惨さを強調するような作者の筆力に脱帽します。

 

 

アメリカの鱒釣り / リチャード・ブローティガン

アメリカの鱒釣り (新潮文庫)

アメリカの鱒釣り (新潮文庫)

 

読み返した回数では今年一番なんですけど、如何せん人に紹介するとなるとどうしたものか困惑してしまいます。

感覚で読むタイプの本ですので、事前情報ナシで頭をまっさらにして楽しんでもらいたいなと思います。

 

この「アメリカの鱒釣り」という掴みどころのない、へんてこなタイトルに関心を持った人なら気に入るかもしれません。是非読んでみてください。

あとこれを気に入ったという人は僕と仲良くできるかもしれませんね。なんというかそういう本なんです(後日知人全員から「アメリカの鱒釣り、クソおもんなかったわ」という言葉とともに絶縁状が叩きつけられ、死ぬ)。 

 

 

ヨハネスブルグの天使たち / 宮内悠介

ヨハネスブルグの天使たち (ハヤカワ文庫JA)

ヨハネスブルグの天使たち (ハヤカワ文庫JA)

 

超面白SF短編集こと「盤上の夜」でデビューした作者の第2作。前作に負けず劣らずの素晴らしい一冊でした。

近未来の南アフリカ、アメリカ、アフガニスタン、イエメン、日本で起こる様々な出来事を歌唱用ホビーロボット(実体のある初音ミクみたいなもん)DX9で結んだ短編集なんですけど、SF要素と哲学要素と宗教要素が合わさったオタクにはたまらない内容になっています。

 

説明が足りないのかちょっと読みにくい部分が目立ちような気もするんですが、謎の熱量でもってして一気に読ませられてしまいました。

とくに最後の「北東京の子供たち」でそこまでの世界と時代を横断した壮大な物語が読書の手の届く範囲に着地していくような感覚は、本書特有のものではないかなと思います。

普段読書をしないという人やSFが苦手だという人には薦めにくいですが、強烈に惹かれるものがあるのも確かなのでガッツリと向き合う気持ちで読んでもらいたいです。

 

 

とまあこんな感じですかね。

新刊でいうと「いまさら翼といわれても」はとても良かったですね。これについては以前のブログでわあわあ語ったので今回は省きました。

今年はミステリを多めに読んだ一年だったかなと思います。やはり手軽で合間合間に読み進められるのでつい手に取ってしまいますね。 

 

で、そんな中で今年のベストはと言われると

 

七つの海を照らす星 / 七河迦南

七つの海を照らす星 (創元推理文庫)
 

こちらになります。実は読んだのは1週間前とかです。

児童養護施設『七海学園』を舞台に、そこの職員である北沢春菜をワトソン役的主人公、施設をたびたび訪れる児童相談所の職員海王を探偵役(これらの呼称が正しいかと言われると微妙なところですが、便宜上こうします) に据えた全7話からなる短編連作の形式をとった鮎川哲也賞を受賞した作者のデビュー作です。

 

ミステリとして見ると6話までに配置されたそれぞれの謎は小粒なんですが、舞台設定の特殊さとそれをこちらが受け入れやすいように丁寧に描かれているのもあってかジャンル不特定のような不思議な印象を受けます。

小粒ながら独特の後味を残す6話までも良く出来ているんですが、そこに散らばった欠片を片っ端から回収していく7話の爆発力は凄まじく、思わず笑ってしまいました。

 

そして7話で登場した駅伝の意味に気付いたりして「いやあ面白い本だったな」となってから本記事の執筆に入ったんですが、その時点ではまだ「竜が最後に帰る場所」がベストだったんですよね。

ですが記事書き始めてから読んだ続編の「アルバトロスは羽ばたかない」がチョベリバにも程がありすぎて合わせ技一本で本作が優勝しました(日本人なので柔道ルールを採用しました)。

「アルバトロスは羽ばたかない」についてもあれこれ書きたいんですが、ミステリというジャンルの性質上チョベリバ以外の表現を使うとネタバレしてしまいそうなのでチョベリバと言うにとどめておきます。2作合わせて読んでください。

アルバトロスは羽ばたかない

アルバトロスは羽ばたかない

 

とにかく横に吹っ飛びました。小説を読んでいて横に吹っ飛ぶことはあまりないので本作が優勝ということになります(漫画や音楽では度々吹っ飛ぶ。小説はじんわり感動する)。

 

段々語彙が衰えてきたのでこの辺で締めますが、2016年マイベスト、小説編は「七つの海を照らす星」「アルバトロスは羽ばたかない」でした。

これと「竜が最後に帰る場所」は本当にオススメなので、みなさん是非読んでみてください。

 

音楽

 

今回の記事では一応メインということになります。まあ音楽をやっているという顔をしながら日々細々と生活を営んでいる人間(「バンドマン」に代わって僕が考え出した表現です。音楽で主収入を得られないボンクラどもはかっこつけるのをやめてこういう風に名乗れ)なのでそこそこそれっぽく書きます。

今年リリースされたアルバム単位での紹介で、収録曲が聴けるYoutubeのリンクも貼ってるので聴きながら読んでください。ではいきましょう。

 

Car Seat Headrest / Teens of Denial



みなさんパンクロックって好きですか?僕は中学生のときからずっと夢中です。

ただ、最近『パンク』を掲げて出てくるバンドはやはり時代的にポストハードコアやメロコアの影響が強かったり、あるいはそれらへの嫌悪感の裏返しからか過剰に懐古主義的な面が強すぎたりであまり好みではありませんでした。

その点このウィル・トレドによるソロプロジェクトは本当にちょうどいい。ルックスもTHEオタクという感じで最高。

 

90年代のUSオルタナが好きな人にはプロデューサーがスティーヴ・フィスクっていう時点で聴け!と言いたくなりますね。

アルバムの内容もオールドなパンクからその影響を受けたシアトル勢までの色々な衝動を上手く自分の手足として使っていて非常にグッドです。やっぱり弱そうなやつが全力で背伸びしてるの見ると心揺さぶられるものがあるなと思いました。

新しいことはやってないはずなのになんだか聴いたことのないようなへんてこな音楽で、メロディなんかはかなりポップなので普段このへんの音楽を聴かない人も気に入るんじゃないでしょうか。オススメ。

ティーンズ・オブ・ディナイアル

ティーンズ・オブ・ディナイアル

 

 

Wilco / Schmilco


出不精の僕が来日公演観に行くぐらい大好きなバンドの新作。

2000年代前半から続けていたスケールの大きな楽曲を作ることをやめたのかな、そして地味なアルバムだなという印象だった前作がワンクッションだったことがよくわかる素朴で素敵なアルバムです。

彼らのルーツであるフォークやカントリーに根差した歌を中心に据えながら、これまで取り組んできたエレクトロニカやポストロック的要素を味付け的に添えたとてもバランスの良い一枚だと思います。

個人的に世界一のギタリストだと思っているネルス・クラインが少し控えめなところは残念に感じなくもないんですが、そういった派手な部分が抑えられている代わりに何度も繰り返し聴ける仕上がりになったとも言えるのではないでしょうか。明るい時間帯のお散歩の友にしたいアルバムですね。

Schmilco

Schmilco

 

 

The Lemon Twigs / Do Hollywood



以前のブログでも取り上げたレモンツィッグス。今年の新人では一番お気に入りです。

コード進行だとかメロディだとかコーラスワークだとかは完全に60年代マナーに則ったものだと思うんですけど、とにかくアレンジがやりすぎなぐらいやりすぎで最高ですね。おもちゃ箱度は今年一番だったと思います。おもちゃ箱度ってなんですか?

 

ここ最近のビートルズフォロワー的な場所から出発したバンド(テームインパラとか)は次第にシンセとかエレクトロな方向に行っちゃう傾向にある気がするんですが、彼らにはぜひともアナログ方向で活動を続けていってほしいところですね。

 ロックバンド的な逞しさとベッドルーム的なごちゃごちゃ感と子供の無邪気さとが同居したまさしくデビューアルバム!という感じのフレッシュな一作です。

Do Hollywood

Do Hollywood

 

 

 

Mitski / Puberty 2


もうこの曲のサビでグッとくるか否かじゃないですかね。そうやって問答無用に聴き手を両断するようなパワーのある曲だと思います。

アルバムを通して聴くと意外と(?)音楽性も多彩で、この日本とアメリカのハーフ女性(活動拠点はニューヨーク)が両国の音楽に影響を受けて育ったという話にもなんとなく納得するところでもあります。

まあでもとにかくこの「Your Best American Girl」を聴いてどう感じるかだと思います。この曲が気に入ったらアルバムも気に入るはずですので。

PUBERTY 2

PUBERTY 2

 

 

Brodka / Clashes


ポーランドでは超人気(らしい)モニカ・ブロトゥカ氏の世界デビュー作。金子に教えてもらいました。

世界一雑に紹介するとビョークがアポトキシン4869飲まされたみたいな音楽性(我ながら0点の紹介。これで興味持つ人いないだろ)。

向こうのスター発掘オーディション番組みたいなのから出てきた人らしいんですけど、ポーランドはこんなぶっ飛んだポップスが主流なんですか(絶対違う)?テラスハウスに出てた良くわかんねえブスメジャーデビューさせてる場合じゃねえぞ日本!!

 

貼ってあるリード曲のアウトロのファズギターに象徴されるような舐め腐ったアレンジ満載で最高に笑える一作です。PVも可愛いやオシャレのギリギリを攻めてきていて、受け手のリテラシーが試されているような気さえしてきます。

あとあんまりこういうことは言いたくないんですけどブロトゥカ氏めっちゃ可愛いですね。これで29歳ってどういうことなんですか。

メロディを始めとした音楽の骨格が僕らの知っているそれとは明らかに違い、完全に第三世界からやってきた化け物という感じがして怪獣映画を観たときのような驚きがあるアルバムです。

Clashes

Clashes

 

 

まあこんなとこじゃないですかね。面白味が無さ過ぎる気もする。

お前一応バンドマンなのに少なすぎるだろみたいな声が聞こえてきそうですけど、実際今年は新譜を聴く機会がめちゃ減ったしその中で繰り返し聴いたとなるともうこんなもんになっちゃうんですよね。

ボン・イヴェールとかジェイムス・ブレイクとかは正直好みじゃないし、去年からずっとめちゃくちゃ流行ってる黒人のR&B的なサムシングも引っかからないんですよねえ。カニエは好きなんですけどアンダーソン・パクとかはイマイチでした。

 

邦楽に関してはもっとアレで新譜何聴いたか全然思い出せないレベルなんですよね。



サコヤンの復活はクソ嬉しかったので来年は是非アルバムリリースしてほしいなと思います。この人の歌詞は気怠さと物悲しさと日常に見え隠れする感動を上手く拾い集めていて本当に素晴らしいですね。

あとは友達が良いアルバムを作っていたのでそれで満足した感じもあります。

 



僕らも来年の早い時期にレコーディングする予定なんで良いもの作りたいところですね。まあ誰かと競ってるわけでもないのでマイペースにやっていきましょう的な。

 

でまあ、こんな感じだった僕にとっての2016年の音楽なんですがじゃあベストは何よって言われると

 

David Bowie / Blackstar


まあこうなっちゃうんですよね。ベストというかなんというか、今回紹介した他のアルバムはみんな「良いアルバム」で、これは「凄いアルバム」なので比較しようがないという感じです。

もう僕が解説するまでもないと思うんですが、ボウイの遺作となった本作は彼が生涯創意工夫をもって音楽制作に取り組んでいたこと、そしてそれがどれだけ困難かつ素晴らしいことなのかを改めて僕たちに知らしめるアルバムとなったんじゃないでしょうか。

 

可能な限り外部情報は考慮せず、CD一枚の内容を受け取るべきだというのは分かっているんですがどうにも無理ですね。

音楽的にいくらでも語れるところはあるんですけど、なんだか野暮な気さえしてくるのでやめときます。一言で言うならジャジーでかっけえ!!とかですかね(低偏差値)

休止期間を挟みながら50年以上最前線で活動していたボウイが自らの老いや死すらも作品に昇華していることの凄みが感じられる、必聴の一枚だと思います。

亡くなったという実感がまだ湧かないので、星に還ったのだと思うことにします。お疲れさまでした。

Blackstar

Blackstar

 

 

 

というわけで2016年マイベスト、音楽編はボウイのブラックスターでした。

ちなみに本作は年始に発売されたこともあり、この記事を書き始めるまで去年のアルバムだと思ってました。

こういう自らの失態を正直に告白できるところが僕の美点だと思います(他人の作ったものにライドしながら強烈に発露させる自己愛)。

 

前編はだいたいこんな感じでーす。

明日の後編はただの漫画オタクの情熱が数千字連なるだけの地獄です。震えて待て!!

俺より目の死んだ人間に会いに行く

2016年も着々と終わりに近づく今日この頃ですが、皆さん今年もダメでしたか?

ちなみに僕は全然ダメでした。ただ時間が経過しただけ。

最近ふと自分を一言で言い表すなら「時間が経過しただけの人」だなと思ってめちゃくちゃ落ち込みました。

自分の言葉に、殺される。

 

周りの歳が近い異常者たち、皆一様に変に子供っぽいけど老けてる顔なんですよね。

なんていうか表情筋が変に固まってる感じがするというか。

僕はこういった人たちのことを「おとなこども」と呼んでいます。そして当然ながら僕もその一員です。

さあ、おれたち一刻も早くおじいさんになってしまおう。

 

つい先日PCのディスプレイとアイホンが同じ日に割れてしまって、さすがにその日は一日ブルーでした。

PCディスプレイを割るのは今年3回目(理由は察してください)なのでどんどん感情が平坦になっていきますね。

割ることを想定して(???)画質には多少目を瞑って安めのやつを買ってるんですがそれでも本来不要なはずの出費は悲しい。

 

アイホンは今まで割ったことが一度もなかったんですが、なんていうかこれめちゃくちゃ不便ですね。

アップルストアに行く時間もなかなかないため年内はバキバキフォン状態で過ごす予定なので、僕と街中で遭遇したら「バキバキフォン見せて」と声を掛けてください。

 

「どなたですか?」とお返事します。

 

皆さんお待ちかね、今週の『怒り』のコーナー(今作りました)なんですが、今回取り上げるのは「インスタにアップされてる育児マンガ」です。

しーちゃん

しーちゃん

 

 

インスタグラム、皆さんやってますか?僕は一応アカウントだけ持ってて、他人の投稿見るだけが用途みたいな感じで活用してます(最後の投稿が夏)。

で、インスタにはオススメユーザー的なのの最新の投稿がワッと大量に見られるモードがあるんですよね。僕はそのモードが結構お気に入りだったんです。

理由は知り合いの知り合いぐらいの距離にいるブスの自撮りが大量に見れるからなんですけど。

 

けどですね、最近仕様が変わったのかやたら育児の中で起きたオモシロ(面白いとは別の意味を持つ言語です。文明人ならニュアンスを感じてください)エピソードや、恋人との馴れ初め(これにはオモシロすら存在しない)をマンガにしたものばかりがオススメされるようになったんです。

これがもう最悪で、つまらないだけならまだしも自虐風自慢的なものか或いは直球の自慢ばっかで不快なんですよね。ツイッターで見かける同種のものより遥かにクソ。

知らない人の娘息子彼女彼氏の自慢なんかいらないんです。


俺は照れながら背伸びしてるブスの写真が見てえんだよ!!!!!!!!

 

以上、今週の『怒り』のコーナーでした。次回は無いと思います。
ここからはいつも通り最近観たり読んだり聴いたりしたものの話です。

 

前回の記事を更新した翌日、下川氏と「君の名は。」を観に行きました。

これでお互い3回目で、全て一緒に観ているんですがこの関係性なんなんですかね?

 

僕らがこの映画を異常に好きなのは、僕らが「自身を通り過ぎていったものたちに未練がありすぎるオタク」だからなんですよね。

過去の間違った選択すら肯定してくれ……!と祈りながら映画を観てるんです。文字に起こすと余りにも救いがなさすぎる。

まあ僕らの惨状はともかくとして、精神加速させながらノリノリで観られる良い映画だなと思います。

 

9日は挫の物販で新宿ロフトスペシャの列伝でした。

対バンのポルカドットスティングレイはPV200万再生(凄すぎ)だし、ベンサムはリキッドでワンマンやってたりするらしいんで、そんなのを相手にして挫はいったいどうなっちまうんだ……?と思ってたんですがいつも通りでしたね。

 

ロックバンドという体で出てきて5曲中2曲がカラオケなのはおかしいと思います。

 

楽屋にまい泉のお弁当があったり、打ち上げでめっちゃデカいオムライスが出てきたりで「資本の力ってスゲえ!」と思いました(「資本」という言葉の捉え方が雑すぎる)。

この日が都内では年内最後の挫のライブだったんですが、来年も可能な限りやっていきたいという気持ちですね。オムライスにミートソースかかってたし。

 

あとこの日「列伝のステージパス貼ってる梶原ウケるな」と下川氏が写真を撮ってくれたんですが

f:id:kajiwaradesu:20161217112401j:plain

まあこの時点で最悪なんですけど

f:id:kajiwaradesu:20161217112422j:plain

完全にすべての感情が過ぎ去った顔をしていて我ながら可哀想だなと思いました。

目に光を宿してくれ。

 

少年検閲官」と「疾走」を読みました。

少年検閲官 (創元推理文庫)

少年検閲官 (創元推理文庫)

 

 

「少年検閲官」は焚書が行われている世界を舞台にしたミステリです。

同作者の「城シリーズ」よりもファンタジー度が濃いというか、あっちは雰囲気づけのためのファンタジー要素で、こっちは物語を構成する全てにファンタジー要素が絡んでるなあという印象でした。

そこそこ楽しく読めたんですけど、続編の「オルゴーリェンヌ」をすぐ読みたい!って感じではないですね。

「折れた竜骨」を読んだときにも感じたんですが、ファンタジーとミステリの掛算にそこまで魅力を感じないタチなのかもしれません。

 

 

疾走 上 (角川文庫)

疾走 上 (角川文庫)

 

 

「疾走」は高校生のときから大好きな作品で、何回読み返してもウワーッとなってしまいます。

ヒロインと再会してからの一連の流れとか凄すぎますね。毎回アオッ!と叫びながら身を捩る以外の手立てがなくなる。

重松清って良くも悪くも「良い話」を書く作家だと思っている(好きですけどね)んですが、この話はそのへんすっ飛ばして暗い熱オンリーで書かれてて圧倒されます。

間違いなく人生のベストのうちの一つで、これからも何度も読み返すことになるでしょう。超オススメです。

 

あと今月の20日に「美亜へ贈る真珠」の新装版が出るらしいですね。

美亜へ贈る真珠―梶尾真治短篇傑作選 ロマンチック篇 (ハヤカワ文庫JA)
 

何故か新装版のほうのリンクが貼れなかった(未発売だから?)んで旧版のほうを。

誰かに貸したままになってるんですけど、持ってる人いたら名乗り出てください(僕はよく貸し借りしたものがわからなくなる)。

 

まあ簡単に言うとSF作家梶尾真治の作品群から時間と恋愛を扱った短編を選りすぐったベスト盤的内容です。

黄泉がえり」「エマノンシリーズ」あたりは皆さんメディアミックスも含めて触れたことがあると思うんですが、短編もめちゃくちゃ良いのでオススメです。

収録作のなかでは「時尼に関する覚え書」が個人的にはお気に入り。

 

漫画の話をします。吉野朔実は「少年は荒野をめざす」しか読んだことなかったんですが、なんとなく買った「瞳子」めちゃくちゃ良かったです。

瞳子(とうこ) (ビッグコミックス)

瞳子(とうこ) (ビッグコミックス)

 

作者自身の体験を踏まえながら80年代後半の若者の暮らしを描いてる作品で、そのへんのカルチャー的なものが好きな人にはたまらないんじゃないですかね。

能天気ではないけど暗かったりジメジメしていたりするわけでもない、不思議な温度の漫画でした。

装丁もとても良かったので読むなら是非紙の方で入手してほしいです。

 

それからめちゃくちゃ嬉しいニュースがあって、なんと売野機子の短編集が年末年始に二冊連続刊行されるんですよ。

 

売野機子のハート・ビート (フィールコミックスFCswing)
 

今年はフィールヤングを中心にいろいろな雑誌で精力的に短編を発表していたのでまとまったものが出れば良いなあと思っていたんですが、この早さは望外の喜びです。

 

それぞれ表紙が発表されているんですが

 

めっっっっっちゃ可愛くないですか?もう最高ですよね?????

こんな表紙でたぶん内容はいつも通り刺しに来るタイプのだと思うんで、みんな70000000000冊買いましょう。

クリスマス前後は楽しみな漫画が多いので、この辺は年末に投稿する予定の年間ベスト的な記事で紹介しようと思います。

 

一応バンドマンなのでたまには音楽の話もしましょう。The Lemon Twigsというアメリカの新人バンドがとてもよいです。


The Lemon Twigs - As Long As We're Together

PVのセンスもめちゃくちゃ良いですね。その服どこで売ってんの?

めっちゃ雑にまとめると中期ビートルズとかペットサウンズとかの延長にいる音だと思うんですけど、いい意味でもっと馬鹿っぽくておもちゃ箱みたいなアレンジが素敵だなと思います。あとドラムを始めとして演奏も上手い。

それからこの二人兄弟なんですけど、19歳と17歳なんですよね。若すぎ。

僕ですか?24歳!!!

 


The Lemon Twigs - Live at Amoeba

ライブ中ギターとドラム交代してストラップの長さ合ってない感じとか良いですね。

弟(たぶん)のドラミングがキース・ムーンみたいで超イカしてます。

 

デビューアルバムのタイトルも最高です。「Do Hollywood」ってなんつうセンスなんだ。

Do Hollywood

Do Hollywood

 

 

 

年の瀬も数多くの素晴らしいものが世の中には蔓延っていて、僕は相対的にどんどんダメになっていく一方です。

 

だいたいこんな感じでーす。

冬が戦車でやって来る

12月になり、完全なる冬の到来ですがみなさん相変わらずですか?

僕は先日久方ぶりに犬の糞を踏み、最悪になりかけましたが自分を戦車だと思い込むことでなんとかそこまで気落ちせずに済みました。

キュラキュラ、ウィーンバーンドカーン、ワハハハハ。

すべての生命に幸あれ。犬の糞は飼い主が責任を持って始末しましょう。

 

以下最近の振り返りからです。

 

11月27日は渋谷クアトロで挫のツーマンがあり、物販スタッフをやっていました。

さすがに前回のワンマンのときよりは慣れもあってスルスルと動けたのではないかと思います。

挫のライブとても良かったです。本村がステージ上げられてたのとグッバイフジヤマのときに夏目が滅茶苦茶しててクソ笑いました。

物販スタッフ、ライブは観れるし知り合いが増えるしいろいろ話しかけてくれる人がいるしで正直めちゃ楽しいので、今後も可能な限りやりたいなあと思います。

 

あとクソどうでもいい話(そもそもこのブログ自体がクソどうでもいいだろという意見もあります。話とは?意見とは?)なんですが、クアトロの受付からライブスペースまでの廊下的なものに吊り下げられてるモニターからイースタンユースが流れていて、「ああカッコいいな、家帰ったら久々に聴こう」とか思っていたら、その日の夜労働先(スタッフやった後アベ氏下川氏爆弾ジョニーの人たちとご飯食べてそのまま労働でした)で無料配布してる冊子に彼らが載っていて、「おっタイムリー」とページを捲ると

 

 

f:id:kajiwaradesu:20161204152402j:plain

アー写がこれで死にました。なんで自撮り棒なんだよ。

 

なんで自撮り棒なんだよ。

 

 

 11月30日は下北沢デイジーバーで自分のバンドのライブがありました。

下北沢でサイファー(フリースタイルでバトる集まり的なもの)を主催している方の企画で、異種格闘技戦的なやつでした。

 

幕間でフリースタイルバトルやってたんですが「殺す」とか「ツブす」とか言ってて怖いなと思ったのでMCで「殺すは……よくないんじゃないかなあ」って言ったらウケてて良かったです。

けどそれ言ってるとき奥のほうの何人かがめっちゃ睨んでて背中が冷たくなりましたね。

ごめんな、人種の違いはどうしようもないんじゃ。 

 

終演後にブッカーの金子くんにもっと他のバンドと仲良くしたほうが良いよ(その日も共演の人たち同士が誰々に似てるとかで盛り上がっている輪に入れずスマホでブリキのおもちゃの通販サイトを見ていた。メンバーはさっさと帰った)と言われて、うーんとかあーとか曖昧になっていたら

「梶原君って他のバンド観て良いとか思うことあるの?」

って聞かれて流石にちょっと笑いました。そんな質問あるんだ。

まあいろんな人と仲良くしていけたらなあと思います。そしてこれは五年ぐらいずっと言ってます。

 

ここ10日ほどの間で起こったことはこれぐらいですかね。ここからは最近読んだものです。

感想を書くときなるべくレビューっぽくならないようにと思ってはいる(理由はレビューは洒落臭いから)んですが、ネタバレを避けながら感想を書くと大体レビューっぽくなりますね。

 

人生とはままならなさを知覚していく半透明な時間の連続なのです。

というわけで以下洒落臭い感想文です。

 

古典部シリーズの新作「いまさら翼といわれても」を読みました。

いまさら翼といわれても

いまさら翼といわれても

 

中学生のときから読み続けている作家、シリーズの新作が読めるのはとても幸せなことだなあと思います。

シリーズ6冊目となる本作はすでにアニメ化されている「連峰は晴れているか」を含む6編から成る短編集で、ここまで作中で示唆されていた登場人物の過去や内面が明かされるファン的にはとても嬉しい内容です。

伊原摩耶花が奉太郎に対して冷たく当たるきっかけとなった事件の真相が明かされる「鏡には映らない」、摩耶花が漫研を辞めるまでの顛末が描かれた「わたしたちの伝説の一冊」辺りは、抜け落ちていたパズルのピースのようなエピソードで待ってました!という感じがありました。

 

「わたしたちの伝説の一冊」までを読んだ時点では、えるの出番がかなり少なかった(そこまででまともに登場するのは僅か24ページの「連峰は晴れているか」のみ)のが気になっていたんですが、最後の2編「長い休日」と「いまさら翼といわれても」できっちり存在感を示す辺りさすがはヒロインです。

個人的には表題作の「いまさら翼といわれても」が一番グッと来ました。ラストでタイトルがえるのセリフとして出てきた時の悲しさったらないですね。

遠まわりする雛」で彼女の背負っているものやその将来設計の一端に触れた奉太郎。彼の同情ではない悲しさが伝わるような印象的なお話だと思います。

 

古典部シリーズ」「小市民シリーズ」に特に共通する部分ですが、事件を解決しても万事に救いがあるわけではないという”探偵の限界“を通じて、成長に伴って広がっていく世界とその中で薄ぼんやりと把握していく自分の能力の限界や身分相応の立ち位置という、なかなかに微妙な題材がものすごく自然に扱われている辺り米澤穂信ってすげえなと思います。

シリーズの中では謎解きの要素も少ない変わった味わいで、ファン向けの一冊という気がしなくもないですが、ここまでシリーズを追っているファンなら文庫版を待たずに買ってしまってもいいんじゃないでしょうか。

 

その他小説はそこそこの冊数読んだんですが記憶が曖昧です。

唯一「大誘拐面白い」とメモがあったので面白かったんだと思います。

大誘拐―天藤真推理小説全集〈9〉 (創元推理文庫)

大誘拐―天藤真推理小説全集〈9〉 (創元推理文庫)

 

これちょうど一年前に買いに行ったらなくて、その代わりに「竜が最後に帰る場所」を買って帰ったんですよね。

竜が最後に帰る場所 (講談社文庫)

竜が最後に帰る場所 (講談社文庫)

 

そんなエピソードは覚えていて内容が朧気だなんて僕の脳は大丈夫なんでしょうか。果たして本当に「大誘拐」は面白かったんでしょうか。

その真相は君の眼で確かめてくれ!!

 

 沙村作品2作それぞれの第3巻が同時に発売されましたね。

相変わらずどっちもめちゃくちゃ(褒め言葉)で最高でした。こんなブログ読んでる人はみんな買ってると思うんですが買ってない人は書店へ急ぎましょう。

 

ベアゲルター(3) (シリウスKC)

ベアゲルター(3) (シリウスKC)

 

 

あと「レイリ」は凄く評判よくて買ったんですがそれに違わぬ面白さでした。

そもそも漫画好きにはたまらないタッグですし、主人公が「武田信勝の影武者となった少女」ってなんていうか良くないですか?分かります??

1・2巻同時刊行で1巻に原作の岩明均、2巻に作画室井大資の巻末あとがきが載っていて、それを読んで知ったんですが原作は文章で書き起こしたものを使っているらしいですね。

作画者が岩明漫画のファンでその空気感を出そうとしているにしても、岩明漫画特有のシリアスの中でも少しシュールな感じが意図的なものでかつ言語化出来るという事実はちょっとびっくりしました。

話はまだ序盤も序盤なんですが、これからどんどん面白くなるはずなので楽しみです。

 

友達に勧められて買った「ろみちゃんの恋、かな?」もとても良かったですね。

ろみちゃんの恋、かな? (楽園コミックス)

ろみちゃんの恋、かな? (楽園コミックス)

 

女の子同士の恋愛を扱った所謂「百合漫画」で、普段この手のジャンルを読まないのでどうかなと思ったんですが楽しく読めました。

細かく割られたコマの隅々に散りばめられたテンポの良い掛け合いがその理由だと思います。笑いどころ多かったな。

絵にめちゃ癖がある(というか下手)んですが、そこさえ気にならなければ誰でも楽しめる作品だと思います。

 

こっから年末に向けて発売が楽しみな漫画やゲームがたくさんあるのでウキウキで2016年の残りを過ごせそうです。

 

明日は下川氏と映画を観に行く予定。

だいたいこんな感じでーす。