ならそれでいいです

そろそろ優勝したい

こっそり土を盛る

特に日記として書くことはないので漫画などの感想をひたすら連ねます。

生活としては『痩せたい』『パーマをまたかけたけど前回ほどかかっていない気がする』ぐらいしかないんで。

俺は虚像。

 

ロッタレイン』が完結したんですよ。

ロッタレイン(3) (ビッグコミックス)
 

あんまりにも漫画の中で語りつくされてるように感じるんで、もう何を書いても蛇足になっちゃいそうですが一応感想を書きます。

まずなんですけど、めっっっっっちゃ良かったです。ものすごく丁寧に丁寧にラッピングされた暴力という感じで、いろんな意味でくらいました。

 

テーマの関係上ナボコフの『ロリータ』と比較されることが多い本作ですが、ひたすら歪んだ愛情の対象として描かれていたドロレスと違って、初穂はかなり能動的なヒロインなんですよね。まあそのせいで悪女感が出ちゃってるんですけど。

あと三巻の各人物の発言にも表れてますけど、年齢よりもどっちかというと(血の繋がりはないものの)兄と妹という関係性が問題視されてますよね。二人以外の家族が二人を引き裂こうとしているところなんかはその象徴なのかなと考えたり。

なんでまあ、個人的には『ロリータ』とはそこまで関連性を感じなくて、家族という言葉のほうがキーワードとして強いのかなあと感じました。これは松本剛という作家のなかで田舎の閉塞感(これも本作にはバリバリに出てきます)と並んで重要なものだと思っています。まあもちろん、『ロリータ』を念頭に置いて描かれた漫画ではあるんでしょうけれど。

 

ラストシーンはもうあれ、なんなんですかね。「おおうう……」ぐらいしか言えなくないですか。ねえ。

結論としては最終話の蛍子のセリフが全てだと思うんですよ。これから先初穂は一と違う時間を生きて、違った変化をしていくはずです。でも一に何も残らないのかというと、それは違うんじゃないでしょうか。

物語の開始時に文字通りどん底にいた一は、初穂との出会いと別れを経て生きていく活力を取り戻したように思います。心のどこかで果たされないことを確信しながら、初穂との約束を支えに彼自身の道を歩んでいくのでしょう。

最後のページに描かれているのは二つの風船が初穂の手を離れ、どうしようもなく離れながら高く高く飛んでいくカット。言葉はなくともしっかりと二人の未来を暗示するとても印象的なものでした。

欲求や嫉妬などの眼を背けたくなるような部分をいやらしくならないように丁寧に丁寧に描きながら、同時にキャラクターたちへの優しい眼差しを感じることの出来る大傑作です。

 

北北西に曇と往け / 入江亜季

北北西に曇と往け 1巻 (ハルタコミックス)

北北西に曇と往け 1巻 (ハルタコミックス)

 

入江亜季アイスランドを舞台に描いた漫画っていう時点でもう買うしかないんですよね。

とにかく一話で描かれる異国のはちゃめちゃに豊かな自然と土地の余ってる感じにおわーっとなります。そしてこの話が事故で横転した自動車の車内と周囲だけで完結してるのも凄いです。

 

冬の日の朝の感覚ってあるじゃないですか?尖った風に切られたように感じる頬を指でなぞったらその部分だけじんわり暖かくなって、洟をすすりつつ霜をしゃこしゃこ踏んでるうちに駅まで着いてて、気が付いたらポッケに突っ込んでしまってる手とか、いつの間にか竦められてる首とかを覆うものを探さねば、と思ったことも通勤電車の強すぎる暖房で気持ち悪くなってるうちに忘れてしまう、あの感覚の話なんですけど。

 それをめちゃくちゃ濃縮して濾過したものがアイスランドの空気なのかな、とかそういうことを考えながら読める漫画です。本当に紙面を漂う空気が全部透き通ってます。日本が舞台になるシーンでは明らかに空気感が変わってるし。なんなんですかこれ?

僕は本気で漫画や小説や音楽は飛行機や船やタイムマシンでもあると思ってるんですけど、これを読んでまたその認識が深まりました。それは夜毎に打ち震えている顔馴染みの感動ではあるんですが、何を見てもそう思うというわけではないんですよね。

 

バタフライストレージ2巻 / 安堂維子里

バタフライ・ストレージ 2 (リュウコミックス)

バタフライ・ストレージ 2 (リュウコミックス)

 

なんか気が付いたら二巻出てて完全にスルーしてました。俺はこういうことをよくやらかす。

一巻のときも同じような感想垂れ流してた気がしますが、とにかく「人間が死ぬと蝶になる」っていう設定が画として美しくて、ね。もうそこにある詩情というかなんというかだけでグイグイ引き付けられてしまいます。

主人公含めてキャラの堀り下げが進められつつ、敵の正体も徐々に明確になりつつある、物語としてはかなり前進した感のある一冊でした。

 

レイリ / 室井大資 岩明均

ま~~~ずっと面白い。歴史ものの漫画がそんなに好きじゃないんですけど、それでも毎巻めっちゃ楽しませてもらってます。

この巻とても絵が良いんですよ。こんなに良い表情の出てくる漫画だったっけ?って思っちゃうぐらいに。

ある種達観してしまっているところのあるレイリの人間臭い部分がゴロンと転がり出てくるようなコマ(読んだら分かると思います)で一気に感情移入してしまいますね。

作者特有のとぼけた味わいのやり取りとか、明らかに悪く描かれててウケる織田信長徳川家康とか、骨太なストーリーの節々に「抜き」のポイントがあって本当によくできた漫画だなあと感心してしまいます。

 

好奇心は女子高生を殺す / 高橋聖一

好奇心は女子高生を殺す 1 (サンデーうぇぶりSSC)

好奇心は女子高生を殺す 1 (サンデーうぇぶりSSC)

 

現代におけるS・F(すこし・ふしぎ)の体現者と言えば石黒正数、つばな辺りの名前が挙がると思うんですが、高橋聖一もこの二人に引けをとらない名手ではないでしょうか。

前作『よいこのSF短編集』はかなり闇鍋感のあるごちゃ混ぜの一冊でしたが、それと比べるとこちらはかなり整理された作品のように感じます。とはいっても次から次へと飛び出すはちゃめちゃな展開の生み出すスピード感は前作と遜色ありません。

ポップな絵柄に矢継ぎ早に飛び出すぶっ飛んだアイデアに可愛い女子高生。めちゃくちゃ欲張りな漫画です。

 

米澤穂信古典部 / 米澤穂信

米澤穂信と古典部

米澤穂信と古典部

 

もう中学の時から読んでるシリーズなんで、こういうファングッズ的なものでも買っちゃうんですよ。反射で。

書き下ろしの短編の没原稿っぽさはまあ置いておいて、ファンなら買って損はないかなあという印象です。少なくとも僕は小説家のインタビューを読むのがとても好きなこともあって楽しめました。

あと後ろの方に他の作家から米澤穂信に質問するコーナーがあったんですが、辻村深月賀東招二なんかに混じって谷川流の文字があって「生きとったんかワレェッ!!」と思わず叫びました。

もう小説にして出せなんて無理は言わないので、「ハルヒはこうこうこうするつもりでした」みたいなメモを俺たちに読ませてほしい。早く呪いを解いてくれ。

 

 

あと宝石の国のアニメが良すぎてニコニコに課金して買ってしまいました。原作の漫画表現としての良さを上手く映像に落とし込んでて愛を感じます。

というかフォス役の声優さんめっちゃ上手ですね。初めて名前見る人だったんですけどとてもよい。エンディングが鈴木慶一作詞作曲なのもなんでだよって感じで良いです。

みなさんも観ましょう。フォスという存在超良い……ってなりますので。原作も買っていきましょう。

 

だいたいこんな感じでーす。